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Q&A

開発途上国の環境問題へもどる
ジャンルキャラクター Q4)”黄砂”ってなんですか?
 中国やモンゴルの砂漠(さばく)や乾燥地帯(かんそうちたい)から砂塵(さじん)嵐が発生します。砂塵嵐は、台風のような強風で砂や砂利(じゃり)が舞い上がる現象(げんしょう)です。 ところで、そのような砂塵嵐のことを、モンゴル語でトゥイリン、中国語でシャチェンバオといいます。砂塵嵐で舞い上がった砂のうち、遠くに運ばれる微小(びしょう)な砂粒を黄砂(こうさ)といいます。日本にとどく黄砂(こうさ)の平均的な大きさは、0.005mmくらいです。 黄砂の色は、クレヨンの黄土色と同じです。指でさわると、壁土(かべつち)みたいでちょっと粘(ねば)っこい感じがします。だから、洋服や自動車につくと簡単には落ちません。日本には2〜5月に主に飛来(ひらい)し、秋にもたまに飛来することがあります。

 最も遠くに風で運ばれるときは、ハワイやアメリカにも届きます。ハワイのジャングルの樹木(じゅもく)を維持(いじ)するためには、栄養素(えいようそ)となるミネラル分がたくさん必要です。黄砂にふくまれるリンや鉄等のミネラル分が、重要(じゅうよう)な役割(やくわり)をはたしているといわれています。 同じように、海に落ちた黄砂は、魚のえさとなるプランクトンの増殖(ぞうしょく)に必要なミネラル分を供給(きょうきゅう)する役割をもっているともいわれています。
 他方、激(はげ)しい黄砂が来ると、視程(してい)が悪くなって飛行機が欠航(けっこう)するなどの交通障害(しょうがい)が起きます。また、韓国では、非常に激しい場合は、外出を控(ひか)えるようテレビ等で国民に知らせることが決まっています。

 黄砂の発生回数が増(ふ)えたり規模(きぼ)が大きくなるのはどうしてか? 大気中を輸送(ゆそう)されてくる時、どんな現象の変化があるか? 地上に落下したらどうなるのか?など、まだまだ科学的に解明(かいめい)できてないことがたくさんあります。
発生直後の砂塵嵐(中国、内モンゴル)
  左;発生直後の砂塵嵐(中国、内モンゴル)
  中央;黄砂時の北京天安門広場前(視界約500m)
  右;つくばで観測した黄砂現象(視界約10km)
 
 
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