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アジア地域(ちいき)の開発途上国(かいはつとじょうこく)における環境(かんきょう)問題は、きわめて深刻(しんこく)な状況(じょうきょう)にあります。工場や自動車交通が集中している主要都市の大気汚染(おせん)をみると、かつての日本の公害と同じような高い濃度(のうど)の大気汚染物質(ぶっしつ)(ぜんそくの原因(げんいん)物質)である二酸化(にさんか)イオウなど)が観測(かんそく)されています。また、鉛(なまり)汚染や酸性雨(さんせいう)の被害(ひがい)なども明らかになっています。さらに河川(かせん)や湖沼水(こしょうすい)の化学物質(農薬(のうやく)をふくむ)汚染や富栄養化(ふえいようか)が進んでいます。一方、廃棄物(はいきぶつ)、水不足や、熱帯林(ねったいりん)の伐採(ばっさい)も大きな問題となっています。
また、多くの開発途上国では、経済(けいざい)発展が優先(ゆうせん)される反面、生活の基本(きほん)となる安全な飲み水や食糧(しょくりょう)、医療(いりょう)・公衆衛生(こうしゅうえいせい)サービスがいまだに問題とされています。バングラデシュやインドなどでは、フッ素やヒ素(そ)汚染による大気や飲み水の広域的(こういきてき)な汚染による健康被害が拡大しています。
中国においては、長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))におけるダム建設による流域(りゅういき)周辺地域の生態系(せいたいけい)の破壊(はかい)や水資源(しげん)への影響(えいきょう)などが国際的(こくさいてき)にも注目(ちゅうもく)されています。
また、最近では、中国などの工場のけむりにふくまれる化学物質が、国境(こっきょう)を越(こ)えて運ばれ影響をおよぼす酸性雨の問題、ダイオキシンや環境ホルモンなどの化学物質の問題、そして経済発展にともなう地球温暖化(ちきゅうおんだんか)問題(温室効果(おんしつこうか)ガス発生量の増加(ぞうか))など、広い範囲(はんい)で環境問題が起こっています。
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