「ワシントン条約(じょうやく)」とは、絶滅(ぜつめつ)のおそれのある野生の動植物を守るために、それらを売ったり買ったりできないようにしようという、国際的(こくさいてき)な取り決めのことです。
お金をもうけるために野生動物を生けどりにしたり、殺(ころ)して毛皮や角やきばを取って売ったりする人がいます。また、それをほしがって買う人もいます。こういう人たちによって、野生の動物や植物がどんどん絶滅しそうになっているのです。
そこで1973年に、アメリカ合衆国(がっしゅうこく)のワシントンに世界81か国が集まって、この条約を作りました。2003年には164か国がこの条約に参加しています。
ワシントン条約では、絶滅のおそれのある動植物を、絶滅しそうな順に3つのグループに分けています。ジャイアントパンダやゴリラなど、もっとも絶滅のおそれがあるおよそ900種のグループについては,生きたままはもちろん、毛皮やきばなどの体の一部や、その加工品(かこうひん)も取り引きができないことになっています。あとのふたつ、今に絶滅するかもしれない生き物のグループや、それぞれの国がとくに保護(ほご)したい生き物のグループも、自由に取り引きできないことになっています。 |
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ワシントン条約に違反(いはん)して、押収された生き物のはくせいや、角やほねで作った品物。(写
真・東京税関) |
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