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地球は空気の層(そう)につつまれた天体です。地球をつつむ空気を「大気」と呼(よ)びます。このうち10kmくらいまでの大気の層を「対流圏(たいりゅうけん)」といいます。ちょうどジェット旅客機が飛ぶ高さくらいまでです。対流圏では、雲ができたり、強く風がふいたりして天気が移り変わります。
対流圏の上にあるのが、「成層圏(せいそうけん)」です。成層圏は高さ50kmくらいまで広がっていて、ここでは天気の移り変わりはありません。その成層圏には、オゾンという気体がたくさん集まっています。これをオゾン層と呼んでいるのです。
オゾン層(そう)は、太陽からやってくる危険(きけん)な紫外線(しがいせん)をさえぎって、地球上にあまりとどかないようにしています。ところがいま、このオゾン層は人間が作り出したフロンという物質(ぶっしつ)によってこわされ、部分的に大きく減(へ)ってしまっているのです。
この部分をオゾン層にあいた穴(ホール)にたとえて「オゾンホール」と呼(よ)んでいます。20年以上前に、南極の上空でオゾンホールができていることがわかり、その後大きくなってきました。南極に近い地域(ちいき)の上空ほど、オゾンホールができやすいのです。
オゾンホールができると、紫外線が地上により多くとどくようになって、地上の生き物たちに悪い影響(えいきょう)をおよぼします。植物の育ちが悪くなり、魚たちのえさになる海のプランクトンも育たなくなるだろうといわれています。また、人間が紫外線を大量にあびると、皮ふがんや目の病気である白内障(はくないしょう)などになる危険性があります。さらに、オゾンの量が変化すると、地上にとどく太陽のエネルギー量も変化して、気象にも悪い影響をおよぼすと考えられています。 |
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