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地球温暖化(ちきゅうおんだんか)が進むと、気温が上昇(じょうしょう)し、雨の量が増(ふ)えたり、海面が上昇したりします。また、異常気象(いじょうきしょう)がおきる回数も増えます。そうなると、植物や動物、そして私たち人間の社会にもさまざまな被害(ひがい)が出ることになります
●気候の変化(へんか)
将来(しょうらい)、気温がどれくらい高くなるかは、温暖化の原因(げんいん)となる二酸化炭素(にさんかたんそ)などの温室効果ガスの排出量(はいしゅつりょう)がどれくらいになるかによって大きく変わってきます。それは、人口やエネルギー使用量がどれくらい増えるか、温室効果ガスの排出を少なくする技術がどれくらい広まるかなどによって変わります。IPCC(気候変動(へんどう)に関する政府間パネル)の2001年の報告書では、将来の社会について、大きく四つの筋書(すじが)きが考えられています。経済(けいざい)が急成長して排出量も大きく増えるという筋書きや、対策(たいさく)のための技術が広く利用されて排出量も抑(おさ)えることができるという筋書きなどです。この報告書によれば、地球の平均気温は今から約100年後の2100年には、1991年に比べて1.4〜5.8℃高くなると予測(よそく)されています。
気温の上昇の程度やその影響(えいきょう)は、地域(ちいき)によって異(こと)なりますが、台風や集中豪雨(しゅうちゅうごうう)が増えるところや乾燥(かんそう)が進むところもあります。猛暑(もうしょ)や冷夏(れいか)、洪水(こうずい)、干(かん)ばつなどの異常気象も増えるでしょう。
●海面の上昇
気温が高くなると、氷河が溶(と)けたり、海水の温度が上がることによって海水の体積(たいせき)が増え、海面が上昇するといわれています。さきほどの報告書によれば、2100年には海面が9〜88p上昇すると予測されています。
●自然環境(しぜんかんきょう)への影響
植物や動物は、自分たちにあった条件の場所でないと生きていけません。地球温暖化が進むと、そうした条件が変わってしまい、今までいたところにすめなくなる場合もあるでしょう。日本のすずしい地域には、ブナの森林(しんりん)があり、大型の動物のすみかにもなっています。でも、温暖化が進むと、いまのブナの森林の地域が狭(せま)くなってしまうと予測されています。
●人の健康や活動への影響
気温が高くなると熱中症(ねっちゅうしょう)などが増えます。また、温暖化によって自然環境が変わると、病気を媒介(ばいかい)する動物がすむ地域が広がって、それによって、マラリアなどの伝染病(でんせんびょう)の発生(はっせい)が増える可能性があります。
自然の条件(雨の降(ふ)り方など)と深い関係のある農業(のうぎょう)にも大きな影響が出ます。世界の農作物の生産量が減少(げんしょう)して、必要な食糧(しょくりょう)を確保(かくほ)することができなくなるおそれがあります。日本の代表的な農産物であるコメも、特に北陸や東北は害虫や水の変化で被害を受けやすい地域と考えられています。
また、水産業やレジャー産業(さんぎょう)などにも影響が出るでしょう。
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