いま地球がたいへん! トップページへ 国立環境研究所

Q&A
地球の温暖化へもどる
ジャンルキャラクター Q4)「エル・ニーニョ現象」について、教えてください。
 南アメリカ大陸にあるペルーという国を知っていますか? 赤道より少し南にある太平洋に面 した国で、むかし、インカ帝国(ていこく)という国があったところです。このペルーの沖合(おきあ)いの海では、いつもは深いところから海水がわきあがってきて、赤道に近いにもかかわらず、まわりの海よりも海面 の温度が低くなっています。
 ところが、何年かに一度、海面の温度が高くなってしまうことがあります。これを「エル・ニーニョ現象(げんしょう)」と呼(よ)んでいるのです。温度の高い海域(かいいき)は、ペルーの沖からさらに西へ、数千キロメートルも伸びることがあります。このように、太平洋の赤道近くの広いはんいで海水の温度が変化すると、そのふきんの雨の降(ふ)り方や気温、風のふき方などが変わってしまいます。 この変化は地球全体におよび、各地で異常気象(いじょうきしょう)を引き起こす原因(げんいん)になるといわれています。
 「エル・ニーニョ」とは、スペイン語で、「神の子=イエス・キリスト」という意味です。クリスマスのころに暖(あたた)かい海水がペルー沿岸を南下することをさして、漁師たちがそのように呼(よ)んでいましたが、今ではもっとスケールの大きな気象現象(げんしょう)としてあつかわれています。反対に、同じ海域(かいいき)の温度が異常に低くなる現象を「ラ・ニーニャ」と呼んでいます。「エル・ニーニョ」が「男の子」なのに対し、「ラ・ニーニャ」は「女の子」という意味です。
 地球温暖化(ちきゅうおんだんか)にともない、エル・ニーニョ現象(げんしょう)をふくみ、洪水(こうずい)・干(かん)ばつ・熱波(ねっぱ)など、異常気象の発生は増(ふ)えると予想(よそう)されています。
 
イラスト
エル・ニーニョ現象は、異常気象の発生と関係があるのではないかといわれている。
 
ページのトップへ
 
Copyright(C) 2003 National Institute for Environmental Studies. All Rights Reserved. No reproduction or republication without written permission.
このHPに掲載の記事・動画・静止画・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。