第2回環境毒の化学動態分析と生物適応機構に関するワークショップ
の開催について

 生物の進化の歴史は、その存在を脅かす環境中の"毒"との戦いの歴史である。あらゆる化学物質は生物にとって"毒にも薬(栄養)"にもなる。 生物は必要とする栄養を環境中から取り込み有害な物質を解毒し体外に廃棄する機構を進化の過程で獲得した。 このような機構により生物は環境に適応し、存続が可能となっている。したがって、環境の変化が種の獲得した制御範囲を超えれば、その種は衰退し、それに適応しうる制御機構を持った種が繁栄する。 これは同じ祖先から分化した種の毒に対する生理機構が、それらの生息する環境中での暴露量の違いを反映して異なっている可能性を含んでいる。
 従来の毒性評価では、暴露−応答研究が主体であり、疫学調査や動物実験などを通した個々の種における研究が中心であった。この様な方法では、暴露量や耐性の個体間、種間のばらつきが大きく、ごく断片的な結果しか得られていないのではないだろうか。 一方、化学分析分野においても高感度分析に走りがちであり、化学形態別の分析(スペシエーション)はその難しさもあり、十分な対応が出来ていなかった。 化学物質はその構造(形態)によってきわめて特性が異なることは明らかであり、単なる濃度では無く、その形態情報を含めて評価することが重要である。 そこで、新たに生物の適応・進化および化学物質のスペシエーションという視点を加えることにより、新たなる環境毒への生体防御機構解明および環境毒性評価方法の開発が必要であろう。
 本ワークショップは、第1回に引き続きこの目的のために多分野の専門家による最先端研究を、他分野の研究者のために紹介していただく。

日 時
平成18年1月13日(金)〜平成18年1月14日(土) 13:00〜12:00
場 所
独立行政法人国立環境研究所 地球温暖化研究棟交流会議室
(茨城県つくば市小野川16−2)
主 催 (独)国立環境研究所 
参加費
無 料
言 語
日本語
定 員
80名程度

■プログラム
1月13日(金) 12:00〜 受 付(交流会議室前ギャラリー)
13:00 開会挨拶 大塚 柳太郎
国立環境研究所理事長
13:10 植物のオゾン障害と耐性機構 佐治 光
国立環境研究所
14:10 生体防御機構に関わるチオールとセレノールの蛍光計測 前田初男
大阪大学
15:10 休 憩
15:30 生体内NOの計測法およびその生理作用 吉村哲彦
山形県産業技術振興機構
16:30 Toxicogenomicsの手法を活用したカドミウムに対する応答、耐性機構の解明 姫野誠一郎
徳島文理大学
1月14日(土)  9:00 塩生植物の塩に対する適応機構について 小関良宏
東京農工大学
10:00 単細胞緑藻も捕食者に抵抗する?イカダモのミジンコに対する戦い 楠見武徳
徳島大学
11:00 ダイオキシン類のファイトレメディエーション 其木茂則
麻布大学
12:00 閉会挨拶  

■参加申し込み
会場の都合上、参加ご希望の方は事前にお申し込み下さい。
参加ご希望の方は、申込書に必要事項をご記入の上、下記世話人宛に電子メール(添付書類)(kunugi) でお送り下さい。
 申込書
*個人情報の取扱いについて
 ・本申込書は、個人を特定する形での処理は致しません。
 ・この申し込みで入手した個人情報については、一定期間を経過した時点で適切に廃棄いたします。
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■問い合わせ先
国立環境研究所
「第2回環境毒の化学動態分析と生物適応機構に関するワークショップ」
世話人:功刀正行 E-mail:kunugi

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