環境毒の化学動態分析と生物適応機構に関するワークショップ
の開催について
生物の進化の歴史は、その存在を脅かす環境中の"毒"との戦いの歴史である。あらゆる化学物質は生物にとって"毒にも薬(栄養)"にもなる。生物は必要とする栄養を環境中から取り込み有害な物質を解毒し体外に廃棄する機構を進化の過程で獲得した。 このような機構により生物は環境に適応し、存続が可能となっている。したがって、環境の変化が種の獲得した制御範囲を超えれば、その種は衰退し、それに適応しうる制御機構を持った種が繁栄する。 これは同じ祖先から分化した種の毒に対する生理機構が、それらの生息する環境中での暴露量の違いを反映して異なっている可能性を含んでいる。
従来の毒性評価では、暴露−応答研究が主体であり、疫学調査や動物実験などを通した個々の種における研究が中心であった。この様な方法では、暴露量や耐性の個体間、種間のばらつきが大きく、ごく断片的な結果しか得られていないのではないだろうか。 一方、化学分析分野においても高感度分析に走りがちであり、化学形態別の分析(スペシエーション)はその難しさもあり、十分な対応が出来ていなかった。化学物質はその構造(形態)によってきわめて特性が異なることは明らかであり、単なる濃度では無く、その形態情報を含めて評価することが重要である。 そこで、新たに生物の適応・進化および化学物質のスペシエーションという視点を加えることにより、新たなる環境毒への生体防御機構解明および環境毒性評価方法の開発が必要であろう。
本ワークショップは、この目的のために多分野の専門家による最先端研究を、他分野の研究者のために紹介していただく。
日 時
平成17年10月14日(金)〜平成17年10月15日(土) 13:00〜12:00
場 所
独立行政法人国立環境研究所 大山記念ホール
(茨城県つくば市小野川16−2)
主 催
(独)国立環境研究所
参加費
無 料
言 語
日本語
定 員
100名程度
■プログラム
10月14日(金)
12:00〜
受 付(大山記念ホールロビー)
13:00
開会挨拶
大塚 柳太郎
国立環境研究所理事長
13:10
開催にあたって
柴田 康行
国立環境研究所
13:20
「環境化学物質が示す遺伝毒性とその感受性をきめるもの」
青木 康展
国立環境研究所
14:20
「近縁のヒトとサルでも違う例−細胞・遺伝子・染色体を用いて−」
石田 貴文
東京大学
15:30
「新しい環境毒は新しい生物適応を生むか−遺伝変異と生態系の健全性−」
高村 健二
国立環境研究所
16:30
「放射光による生体に蓄積した金属元素のスペシエーション」
中井 泉
東京理科大
10月15日(土)
9:00
「微生物のリスクアセスメント」
西原 力
大阪大学
10:00
「環境化学物質と免疫・アレルギー制御」
藤巻 秀和
国立環境研究所
11:00
「植物の重金属耐性機構」
後藤 文之
電力中央研究所
12:00
閉会挨拶
■参加申し込み
会場の都合上、参加ご希望の方は事前にお申し込み下さい。
参加ご希望の方は、
申込書
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kunugi
) でお送り下さい。
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■問い合わせ先
国立環境研究所
「環境毒の化学動態分析と生物適応機構に関するワークショップ」
世話人:功刀正行 E-mail:
kunugi
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