(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ムラサキイガイ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ムラサキイガイ (写真なし)
分類群 軟体動物門 二枚貝綱 イガイ目 イガイ科
(Mytilidae, Mytiloida, Bivalvia, Mollusca)
学名 Mytilus galloprovincialis
英名等 Mediterranean mussel
自然分布 地中海沿岸
形態 付着性二枚貝で貝殻は卵三角形,表面は黒紫色か黒褐色で,内側には真珠光沢がある.殻長最大10cmになる.
生息環境 海水域の潮間帯の岩や人工物に足糸で付着.船底,発電所や工場などの取水施設などにも付着する.
温度選好性:外来生物ミドリイガイより低温域に分布する.1994年和歌山県では29℃以上の高水温により全滅した.
繁殖生態 繁殖期:冬季.カキ類よりも幼生の放出・浮遊期間が長い.
受精後20時間で自由遊泳のできる担輪子幼生になる(ミドリイガイより遅い).
生態的特性 固着するため人工物への被害が大きい.
食性:プランクトン
侵入情報
国内移入分布 ほぼ全国の沿岸.島嶼では,天売・焼尻,佐渡,小笠原,隠岐,淡路島,対馬,壱岐,屋久島,慶良間諸島,西表島などで記録あり. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 不明
侵入経路 バラスト水への混入や船体への付着と考えられている.また,中国製のブイに本種の生体が付着していた例もある.
侵入年代 最も古い記録は,1932年の神戸港.1925年の兵庫県水試という説は,誤りと考えられている.
影響 在来および水産用の沿岸付着生物(カキなどの貝類,フジツボなど)との競合,北海道に自然分布するキタノムラサキイガイとの交雑による遺伝的撹乱,増殖後死亡した個体による水質汚染.
影響を受ける在来生物:カキ・アコヤガイ・フジツボなど在来の沿岸生物群集および水産資源,北海道の太平洋側に自然分布する近縁種のキタノムラサキイガイ
法的扱い 要注意外来生物(外来生物法),世界の侵略的外来種ワースト100 指定種,日本の侵略的外来種ワースト100 指定種
防除方法 沿岸域の詳細なモニタリング.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 韓国,オーストラリア南東部,南アフリカ,北米西岸など
備考
外来生物法で要注意外来生物に指定された.世界の侵略的外来種ワースト100 指定種.日本の侵略的外来種ワースト100 指定種

かつてヨーロッパイガイ M. edulis と混同されていた.
本種の船舶等への付着防止用に有機スズ系化合物が使用され環境汚染を引き起こした.東京湾内の海中構造物の付着性物の優占種で重量で8割を本種が占める.
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