(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ミドリイガイ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ミドリイガイ

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ミドリイガイ
分類群 軟体動物門 二枚貝綱 イガイ目 イガイ科
(Mytilidae, Mytiloida, Bivalvia, Mollusca)
学名 Perna viridis
英名等 Green mussel, green-lipped mussel
自然分布 インド洋~西太平洋の熱帯域
形態 付着性二枚貝で貝殻は長卵型でやや薄く,表面は茶褐色~鮮やかな緑,内面は白色をしている.唇が緑色のためムラサキイガイと識別できる.
生息環境 広塩性.潮間帯の岩や人工物に付着.ムラサキイガイより比較的深水層まで分布.富栄養の水域でよく成長.漁港,発電所の排水口近く,養殖カキへの付着が各地で報告されている.
温度選好性:熱帯域.30℃以上の高水温に適応.水温8℃以下で100%死亡.気温20℃以上で24-48時間干出すると大半は死亡.
繁殖生態 繁殖期:フィリピン2~3月,9~10月,シンガポールは4月と11月が産卵ピーク,沖縄では8月下旬~9月上旬産卵.
雌雄異体で性比はほぼ1:1.殻長25mmで成熟.実験飼育下では15mmで産卵するものもある.受精後7~8時間で自由遊泳のできる担輪子幼生になる.
生態的特性 足糸で付着し固着するため定置網や発電所の冷却水路系など人工物への被害が大きい.カキより少し高い塩分濃度を好む.他種と混合して生息しないが,高水温で死亡した外来ムラサキイガイの殻の上に定着することがある.
食性:プランクトン
侵入情報
国内移入分布 1960~1980年代:東京湾,伊豆半島,和歌山,大阪,兵庫,高知,大分,沖縄島,石垣島.
1990~2000年代:山形,東京湾,静岡,伊勢湾,和歌山,大阪,兵庫,徳島,高知,愛媛,山口,福岡,大分,鹿児島,沖縄島.
国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 不明
侵入経路 船舶への付着,バラスト水への混入,試験養殖用の導入(石垣島)
侵入年代 1967年に兵庫県で初めて確認された.
影響 競合,駆逐,増殖後死亡した個体による水質汚染.同属種が分布する地域(アフリカ,ニュージーランド)では,交雑による遺伝的撹乱.
影響を受ける在来生物:在来の沿岸生物群集
法的扱い 外来生物法で要注意外来生物に指定された.
防除方法 沿岸域の詳細なモニタリング.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 カリブ海,メキシコ湾,オーストラリア沿岸
備考
温暖化による冬季の低水温の上昇がミドリイガイの日本での定着を可能にしていると思われる.
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