(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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オオミノガヤドリバエ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 オオミノガヤドリバエ

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成虫 多数の蛹に寄生されたオオミノガ
分類群 ハエ目 ヤドリバエ科
(Tachinidae, Diptera)
学名 Nealsomyia rufella
英名等
自然分布 インド,スリランカ,スマトラ,マレー半島,タイ,ベトナム,大陸中国など
形態 成虫の体長5mm程度のハエ.頭部の地色は明灰色.複眼は褐色.頭頂部~前部にかけて長い剛毛,複眼後方周縁部にやや短い剛毛を多数持つ.胸部・腹部の地色は明灰色で黒色の毛に覆われる.腹部に暗色の横帯を持つ.国内でミノガ科に寄生する他のヤドリバエ類は,複眼周縁に剛毛が無い.
生息環境 温帯~熱帯性.オオミノガ Eumeta variegata に寄生.
繁殖生態 繁殖期:
オオミノガ幼虫が摂食する植物(多くの樹木,一部の草本植物)の葉に微小卵(直径約0.2mm)を多数産卵し,オオミノガ幼虫の体内に寄生する(幼虫1頭に最大70個体程度).オオミノガの終齢幼虫体内で越冬.5-6月に蛹化直前のオオミノガ幼虫から脱出してミノ内で囲蛹となり,羽化後にミノの外へ脱出.寄主のオオミノガは死亡する.初夏からオオミノガが越冬するまでに複数世代の成虫の発生を繰り返す.
生態的特性 他のミノムシ類には寄生せず,オオミノガのみに寄生.
侵入情報
国内移入分布 関東~西日本 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 大陸中国と考えられている.
侵入経路 不明.偶発的といわれているが,中国山東省では1990年代初頭にオオミノガ駆除のための天敵として利用されたことがあり,山東省由来と推測されている.
侵入年代 国内での初記録は1995年の福岡市.大阪市では1994年頃から本種が定着していたと推定されている.
影響 市街地でよく見られたオオミノガ Eumeta variegata(いわゆるミノムシの一種)に寄生.一つの「ミノ」に数十個の蛹が寄生することもある.オオミノガはこのオオミノガヤドリバエの寄生によって激減し,8県でレッドリストに登録された.また,近畿地方などではオオミノガの減少に伴って,他のミノガ類(チャミノガ Eumeta minusculaなど)が市街地で増加するなどの変化も報告されている.
法的扱い 特になし
防除方法 情報整理中
問題点等 情報整理中
海外移入分布 なし
備考
寄生蜂(キアシブトコバチなど)による本種への寄生も確認されている.
基本・侵入情報 参考資料リスト