(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ニジマス

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ニジマス

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ニジマス
分類群 硬骨魚綱 サケ目 サケ科
(Salmonidae, Salmoniformes, Actinopterygii)
学名 Oncorhynchus mykiss
英名等 Rainbow trout, Steelhead
自然分布 カムチャッカ半島,アラスカからバハカリフォルニアに至る太平洋岸
形態 陸封型は~50cm程度.明瞭なパーマークをもつ幼魚はヤマメに似るが背鰭や尾鰭にまで黒斑があり,口吻がやや丸い,尻鰭の軟条数がヤマメの13~15本に対して8~10本と少ない,口腔内の突起の状態で区別できる.海外には降海型個体群がおり,120cmに達する.
生息環境 一般に速い流れを好むが,湖やダム湖などにも生息するほか,海に下り海洋生活期を経た後河川に遡上して産卵する個体群もあり,生活史は変異にとむ.
繁殖生態 繁殖期:本州で11~3月.北海道は1月下旬から5月頃.自然繁殖では4~6月が多い.
生態的特性 自然水域では,河川の上流でイワナと混生するか,ニジマスのみで生息していることが多い.ヤマメやアマゴと同じ河川に見られることもあるが,優勢な個体群とはならない例がほとんどである.
食性:動物食.陸生・水生昆虫,ヨコエビ等の無脊椎動物の他,小魚など利用可能な餌生物は何でも食べる.
侵入情報
国内移入分布 北海道,東京,和歌山(熊野川水系),中国地方 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 米国カリフォルニア州
侵入経路 養殖用,釣り用に放流
侵入年代 1877年以降
影響 他のサケ科魚類と競合.北海道ではニジマスの産卵がイワナ属魚類よりも遅れて始まるため,ニジマスがイワナ・オショロコマ・アメマス等の産卵床を掘り返す可能性が示唆される.ヤマメ・アマゴとの競合,イトウとの競合・卵の捕食.海外では,サケ科魚類との競合・交雑,甲殻類などの捕食.
影響を受ける在来生物:在来のサケ科魚類,水生昆虫,甲殻類等
法的扱い 外来生物法で要注意外来生物に指定された.佐賀県では移植禁止.一部の都府県で,採捕可能な大きさ・期間・水系に制限あり(各都府県漁業調整規則または内水面漁業調整規則)
防除方法 導入防止に先立って,ニジマスの代替となる水産資源(ヤマメ・イワナなど)の検討が必要.
問題点等 水産庁主導の移殖経緯のためニジマスの生息に肯定的な見方を示す人が多い.本種の生態的影響等に関する知識の普及が必要である.
海外移入分布 汎世界的.朝鮮半島,パキスタン,スリランカ,西アジア各地,中央アジア各地,ヨーロッパ各地,アフリカ東部~南部,マダガスカル,オーストラリア,ニュージーランド,パプアニューギニア,カナダ,中米~南米,ドミニカ,ハワイ,アゾレス諸島,マデイラ諸島,ケルゲレン諸島,レユニオン等
備考
世界の侵略的外来種ワースト100,日本の侵略的外来種ワースト100
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