(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ニホンヒキガエル

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ニホンヒキガエル

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ニホンヒキガエル
分類群 両生綱 無尾目 ヒキガエル科
(Bufonidae, Anura, Amphibia)
学名 Bufo japonicus japonicus
主なシノニム Bufo bufo japonicus
英名等 Japanese common toad
自然分布 西日本に広く分布.紀伊半島南部~近畿地方西部,鳥取県日本海沿い?島根半島を除く中国地方,四国,九州全域とその周辺島嶼(見島・壱岐・平戸・五島列島・天草・甑島列島・屋久島・種子島など)に分布.
形態 体長80-176mm,体重44-600g.体サイズは地域個体群によって著しく異なる.別亜種アズマヒキガエルに比べて鼓膜が小さい.染色体数2n=22.
生息環境 農耕地,二次林,草原,自然林,都市公園,埋立地など幅広い.垂直分布の幅も広く,海岸近くから高山帯に至る.
温度選好性:北海道南部から九州南部までの気候には十分に適応できる.南西諸島の気候に適応できるかどうかは不明.
繁殖生態 繁殖期:早春に繁殖.本州中部の平野部ではソメイヨシノの花が咲く頃に繁殖を終える.ひとつの個体分の繁殖期は1週間ほどであるが,地域による繁殖期の差違が大きく,亜種全体で見ると10~5月.
止水に多数の雄が集まり,「クックックッ…」と聞こえる声で鳴く.繁殖は池,湿原,湖などの浅い止水で,同じく早春に繁殖するニホンアカガエル等に比べて深い池が好まれる.ゼリー層に包まれた紐状の卵塊(卵紐)を産出する.産仔数:蔵卵数は1,500~14,000個.大型の雌は多くの卵を産む.
生態的特性 主に夜行性で,やや開けた地表で採食する.皮膚から毒液を分泌する.天敵の少ない島嶼等に導入されるときわめて高い密度に達することがあり,在来の地表性昆虫等に大きな影響が及ぶ.
食性:肉食性.地表に生息する昆虫(特にオサムシなど地表性の甲虫やアリ),ミミズ,クモなど.
侵入情報
国内移入分布 仙台,金沢,東京に移入. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 不明.
侵入経路 不明であるが,興味本位であるいは実験材料として運ばれた可能性が高い.資材等に紛れて非意図的に導入された可能性もある.
侵入年代 東京・仙台・金沢等の都市部,伊豆諸島の大島・三宅島・新島,佐渡島等に導入された.北海道南部の集団(“エゾヒキガエル”)も人為分布とされる.年代について詳細は不明であるが,伊豆諸島ではまず大島にもたらされ,1980年頃に大発生して問題となった.
影響 在来亜種との競合及び交雑による遺伝的攪乱.
影響を受ける在来生物:在来亜種アズマヒキガエル B. j. formosus
法的扱い 特になし.
防除方法 繁殖期に池を高頻度で見回り成体や卵紐を取り除くことが現実的.本格的に駆除する場合には,繁殖期間中に繁殖池をカエルが越えられないフェンスで囲み,侵入を阻む方法が考えられる.
問題点等 本種は国内に広く分布し,多くの日本人が身近に接していることから,移動や放逐が特段悪いことと認識されていない.分布域外への放逐は生物多様性の低下をもたらしうることを広く普及啓発することが重要.
海外移入分布
備考
捕食及び遺伝的攪乱.本種は国内に広く分布し,多くの日本人が身近に接していることから,移動や放逐が特段悪いことと認識されていない.分布域外への放逐は生物多様性の低下をもたらしうることを広く普及啓発することが重要.
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