(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
  1. 侵入生物データベース >
  2. 日本の外来生物 >
  3. 爬虫類 >
  4. スジオナメラ

スジオナメラ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 スジオナメラ, タイワンスジオ

クリックすると拡大画像が表示されます

スジオナメラ
分類群 爬虫綱 有鱗目 ヘビ亜目 ナミヘビ科
(Colubridae, Ophidia (Serpentia), Squamata, Reptilia)
学名 Elaphe taeniura subspp.
主なシノニム Orthriophis taeniurus subspp.
英名等 Beauty snake
自然分布 インド~東南アジア~大陸中国~台湾~先島諸島に広く分布する.地域ごとに亜種に分けられている.国内には,先島諸島(池間島,大神島,宮古島,伊良部島,下地島,来間島,多良間島,石垣島,小浜島,西表島)に亜種サキシマスジオが分布.沖縄島の移入個体群は,タイワンスジオ E. t. friesi(台湾固有亜種)と考えられているが,他の亜種の可能性も指摘されている.
形態 全長2mを超え,尾の側面に黒色の太い筋が目立つ無毒蛇.6亜種ほどに分けられている.沖縄島移入個体群が属すると考えられているタイワンスジオは,全長は標準で220cm,最大270cm.腹板数243~262枚,尾下板数101~122対,体鱗列数23か25列.腹板の両側に稜が発達する.
生息環境 人里から森林まで幅広い環境.
温度選好性:不明であるが,種の分布域を考えると,本州中部以南に分布できる可能性がある.
繁殖生態 繁殖期:6月.
交尾を終えた雌は地上の物陰に産卵する.産仔数:1回の産卵数5~16個.
生態的特性 昼行性で,発達した側稜をひっかけよく木に登る.地上でも樹上でも採食する.
食性:肉食性.哺乳類,鳥類を採食する.
侵入情報
国内移入分布 沖縄島中部を中心として広い範囲に分布. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
詳細マップはこちら
移入元 不明.
侵入経路 展示用,食用,薬用に搬入されたものが逸走したか遺棄されたとみられる.
侵入年代 1970年代から輸入され,1970年代末ごろから野外で見つかっている.
影響 捕食・競合.
影響を受ける在来生物:中・小型の哺乳類,鳥類(捕食).ヘビ類(競合).
Elaphe属のヘビ(沖縄島には自然分布しない)は主に日中,探索と待ち伏せを交えて小型の哺乳類・鳥類を捕食する.沖縄島中部で分布を広げている本亜種がもし島北部のやんばる地域に侵入すると,ヤンバルクイナ,ノグチゲラ,ホントウアカヒゲ,ケナガネズミ,オキナワトゲネズミといった固有種に多大な影響が及ぶことが懸念される.
法的扱い タイワンスジオ E. t. friesi は外来生物法で特定外来生物に指定.また,サキシマスジオを除く他の全亜種は未判定外来生物に指定.ホウシャナメラ E. radiata は種類名証明書の添付が必要な生物に指定.
防除方法 無毒であるため,自治体による防除は最近まで行われていなかった.近年になって,環境省により,本種に合わせたトラップの実験・開発など防除法の検討が進められている.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 なし
備考
タイワンスジオは日本の侵略的外来種ワースト100

分子系統学的研究の結果等に基づいて広義のElaphe属を細分し,本種を Orthriophis属に含める見解もある.

令和5(2023)年度 環境省「特定外来生物の市町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/category.html
※都道府県単位の分布地図は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市町村単位の分布地図は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある.
基本・侵入情報 参考資料リスト