(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ミナミイシガメ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ミナミイシガメ

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ミナミイシガメ
分類群 爬虫綱 カメ目 イシガメ科
(Geoemydidae, Testudines, Reptilia)
学名 Mauremys mutica mutica
英名等 Asian brown pond turtle
自然分布 ベトナム~中国南東部,台湾.八重山諸島に別亜種ヤエヤマイシガメ M. m. kami が自然分布.
形態 背甲長20cm以下.体重は背甲長14cmで380g前後.甲はやや扁平またはゆるやかなドーム状.八重山産の亜種ミナミイシガメと異なり,目の後方の黄色い筋模様が目立つ.
生息環境 池沼や低湿地,小さな水路など浅く底が砂泥質の穏やかな流れや止水.農業用ため池や水田など人為的環境にもしばしば見られる.
温度選好性:原産地の北限は中国,揚子江の河口部の南岸周辺であるが,京都,大阪,滋賀に人為分布する.ここは原産地よりもかなり緯度が高いことから,低温に対する耐性はそれほど低くないと見なされる.
繁殖生態 繁殖期:春に水中で交尾し,6月から7月に産卵する.
雌が地面に穴を掘り産卵する.
生態的特性 夜行性の傾向が強い.日中は水底の泥や穴の中に潜んでいることが多い.
食性:雑食性.魚,オタマジャクシ,昆虫,ミミズ,小型甲殻類,水草,陸上植物の葉や実,藻類など,さまざまなものを採食する.
侵入情報
国内移入分布 京都,大阪,滋賀,伊平屋島に本亜種が移入分布.千葉県(印旛沼流域),トカラ列島(悪石島),大東諸島(北大東島),慶良間諸島(座間味島,渡名喜島),に同種が移入分布(亜種不明もしくは別亜種ヤエヤマイシガメと混在). 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 台湾
侵入経路 ペットや展示用として持ち込まれたものが逸走したり遺棄されたりしたとみられる.
侵入年代 近畿地方,悪石島のものは昭和初期以前.1990年頃から分布拡大.琉球列島の他の島嶼では,1980年代以降と考えられている.
影響 交雑,競合,捕食が想定される.
影響を受ける在来生物:ニホンイシガメなど在来イシガメ科.イシガメ科は種間・属間交雑を起こしやすく,在来カメ類との交雑が最も懸念される.ミナミイシガメとクサガメの間では交雑が生じることが確認されている.
法的扱い 種ミナミイシガメは,CITES付属書IIに掲載.原産地では環境破壊や採集などが原因で個体数が激減しており,CITESの付属書に掲載された.
防除方法 水域に広く分散して生息するため,効率よく駆除することは困難.魚のアラ等をエサとしたトラップを多数設置することである程度の捕獲が可能とみられる.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 なし.
備考
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