記者発表 2006年2月9日

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国立環境研究所の研究情報誌「環境儀」第19号
「最先端の気候モデルで予測する『地球温暖化』」の刊行について
(お知らせ:環境省記者クラブ、筑波研究学園都市記者会同時発表)

平成18年2月9日(水)
独立行政法人国立環境研究所
主任研究企画官 村川 昌道 電話番号 (029-850-2310)
環境情報センター長 岩田 元一 電話番号 (029-850-2340)
担当: 企画・広報室 白井 一成 電話番号 (029-850-2453)
情報企画室 坂下 和恵 電話番号 (029-850-2341)

要旨

国立環境研究所の研究成果を国民各層に分かりやすく伝える研究情報誌「環境儀」第19号「最先端の気候モデルで予測する『地球温暖化』」が刊行されました。 いまだ解明されていない部分が多い地球温暖化について、スーパーコンピュータを用いて地球の大気・海洋の変化を計算する「気候モデル」を通して、過去の気候変動を再現し、将来の見通しを予測する研究を紹介しています。

1.第19号の内容

第19号では、スーパーコンピュータにより計算された「気候モデル」による地球温暖化の予測に関する研究について紹介しています。
  30年ほど前までの「地球寒冷化」が有力な説であった時期に、産業革命以来、大気中の二酸化炭素濃度が増加し、地球の平均気温が上昇していることがわかってきました。このころから地球温暖化の研究が本格的に始まり、温室効果ガスがもたらす気候変化の解明の必要性が生じてきました。
  近年、様々な地域から報告されている台風や豪雨、熱波等の異常気象が、地球温暖化と関連していると指摘されていますが、その実態は未だ、解明されていない部分が多くあります。
  気候モデルを用いた20世紀の気候再現実験では人為起源のみ、自然起源のみなどの気候変動要因を切り分けて実験を行い、自然起源の気候変動要因のみを考慮した場合には20世紀後半の気温上昇が見られないなど、近年の温暖化の傾向は人為的な気候変動要因によることが強く示唆される結果となっています。また、100年後の地球温暖化予測計算では将来シナリオを経済重視と環境重視の2パターンについて計算を行い、その結果、温度上昇、降水量とも経済重視で計算した場合の増加率が高くなるなどと予測されています。
  過去を検証して未来を予測する気候モデルによる地球温暖化研究がこれからの地球温暖化の世論形成に大きな影響を及ぼす重要な研究であることを指摘しています。

構成

  1. 研究担当者へのインタビュー
    江守 正多 大気圏環境研究領域 大気物理研究室長
    野沢 徹 大気圏環境研究領域 大気物理研究室主任研究員
  2. 「気候モデルによる地球温暖化研究の成果から」
  3. 「地球温暖化研究、世界の視点と動向」
  4. 「国立環境研究所における気候モデル研究のあゆみ」のほか、
    『地球温暖化の仕組み』、『温暖化予測とは?』などについてのコラム等

2.閲覧・入手についての問い合わせ先

「環境儀」は、研究所のホームページで閲覧することができます。

冊子の入手については、下記へお問い合わせ下さい。

「国立環境研究所友の会」の会員の方には、友の会事務局を通じて継続的に送付いたします。

(参考)これまで「環境儀」で取り上げたテーマ

第18号 「外来生物による生物多様性への影響を探る」
第17号 「有機スズと生殖異常−海産巻貝に及ぼす内分泌かく乱化学物質の影響」
第16号 「長江流域で検証する 『流域圏環境管理』のあり方」 
第15号 「干潟の生態系−その機能評価と類型化」
第14号 「マテリアルフロー分析−モノの流れから循環型社会・経済を考える」
第13号 「難分解性溶存有機物−湖沼環境研究の新展開」
第12号 「東アジアの広域大気汚染−国境を越える酸性雨」
第11号 「持続可能な交通への道−環境負荷の少ない乗り物の普及をめざして」
第10号 「オゾン層変動の機構解明−宇宙から探る 地球の大気を探る」 
第9号 「湖沼のエコシステム−持続可能な利用と保全をめざして」
第8号 「黄砂研究最前線−科学的観測手法で黄砂の流れを遡る」
第7号 「バイオ・エコエンジニアリング−開発途上国の水環境改善をめざして」
第6号 「海の呼吸−北太平洋海洋表層のCO2吸収に関する研究」
第5号 「VOC−揮発性有機化合物による都市大気汚染」
第4号 「熱帯林−持続可能な森林管理をめざして」
第3号 「干潟・浅海域−生物による水質浄化に関する研究」
第2号 「地球温暖化の影響と対策−AIM:アジア太平洋地域における
温暖化対策統合評価モデル」
創刊号 「環境中の『ホルモン様化学物質』の生殖・発生影響に関する研究」
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