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6.環境健康研究分野

研究の概要

1.第3期の研究活動の背景としての第2期の研究内容と成果

① 環境ストレスの影響評価と分子メカニズムの解明及び影響評価の実践、応用、検証と新たな影響評価手法の開発に関する研究

毒性学的手法を用いて、有害な環境化学物質が生体機能に及ぼす影響の分子メカニズムを明らかにするとともに、高感受性集団を対象とした種々の環境ストレスに対する健康影響評価の実践と新たな影響評価手法の確立に関する研究を実施した。

  • トキシコゲノミクスを利用した環境化学物質の健康影響評価法の検討を行い、各種環境化学物質の影響検出・予測法の開発や有効性の検証を行い、得られた成果に関するWebページを作成し、公開した。
  • 環境化学物質のエピジェネティック作用を検討するために、動物実験において、無機ヒ素の長期投与や胎児期曝露を中心に、発癌等生体影響とエピジェネティック変化の因果関係や性差、機序の一端 を明らかにした。
  • 無機ヒ素による転写因子E2Fの新規調節機序や、ダイオキシンの毒性を仲介する転写因子AhRの作用の臓器特異性の特徴を明らかにするなど、環境化学物質の転写因子調節作用について検討し た。
  • その他、分析毒性学的手法を用いたヒ素代謝機構の解明や情動・認知機能を定量化する包括的な行動毒性試験の構築を行った。
  • 環境化学物質がアレルギー疾患(喘息、皮膚炎等)に及ぼす影響を明らかにし、簡易に評価できるin vivoモデルを確立した。
  • 環境化学物質がリンパ球や抗原提示細胞に及ぼす影響を明らかにし、アレルギー疾患への修飾作用をより簡易・迅速に判定するin vitro 評価手法を確立した。
  • ディーゼル排気微粒子やナノ粒子、ナノマテリアル等の粒子状物質が、免疫系及び呼吸器、循環器、凝固・線溶系、皮膚等に及ぼす影響を明らかにし、 in vitro 評価も加えてメカニズムの一部を解明した。

② 環境ストレスの疫学的評価、総合的影響評価に関する研究

疫学的研究手法を用いて、微小粒子状物質やオゾン等の大気汚染物質や暑熱因子などの環境ストレスの曝露評価と健康リスクの評価に関する研究を実施した。

  • 全国7地区における微小粒子状物質の家屋内外濃度及び個人曝露濃度を季節ごとに調査し、健康影響を評価する曝露指標として一般大気測定局データを採用することの妥当性を明らかにした。
  • 温暖化の進行に伴う健康影響として熱中症と大気汚染影響を検討した。熱中症については、全国の救急搬送患者データを基に日最高気温と発症数との関係式を作成した。また、気候変動に伴う光化学オキシダント濃度増加を推定し、これに対する過剰死亡のリスクマップを作成した。
  • 日本と中国で自動車交通量の多い幹線道路周辺で生活する人を対象に、大気汚染物質への曝露評価と肺機能検査を季節ごとに繰り返し実施し、大気汚染物質への曝露実態を明らかにするとともに、大気汚染物質が高齢者の呼吸器系に及ぼす影響を検討した。
  • 大気汚染物質や気象条件が心血管疾患発症に与える影響を修飾する因子を検索するために、茨城県内の主要病院における急性冠症候群発症に関するデータを用いて検討した。
  • 我が国における微小粒子状物質が循環器疾患に及ぼす影響に関する疫学知見を得るために、既存の循環器疾患コホート調査データ並びに特定地域での循環器疾患発症・死亡データと新たに構築する大気汚染物質曝露データベースを結合して、疫学的な解析を行った。
  • 黄砂の救急外来受診に対する急性影響を評価するために、黄砂飛来日と非飛来日におけるSPM濃度と救急外来受診との関連性を検討した。

③ エコチル調査コアセンター業務

  • 2032 年度までの合計22年間に及ぶ調査開始の準備として、研究計画書を作成するとともに、リクルートに使用する説明書及び同意書並びに調査の実施に関する各種手順書の作成、参加者から採取する血液・尿・毛髪・母乳等の回収・分析・保管等の体制整備、データ管理システムの構築等を行った。2011年1月から北海道、宮城、福島、千葉、神奈川、甲信、富山、愛知、京都、大阪、兵庫、鳥取、高知、福岡、南九州・沖縄の各調査地区において調査対象者のリクルートを開始した。

2.第3期における研究活動内容と達成目標(研究プログラム、環境研究の基盤整備を含む)

環境汚染物質等の環境因子による健康影響は未だ充分に明らかにされておらず、小児や脆弱性の高い集団を中心にその影響と機構を明らかにし、健康影響の低減と未然防止を図る必要がある。

そこで、環境汚染物質等の環境因子による健康影響・発現機構の実験的解明と評価、簡易・迅速な曝露・影響評価系の開発、並びに環境が健康にもたらす影響の同定と要因の究明に関する疫学的調査・研究を実施する。特に、先導研究プログラム「小児・次世代環境保健プログラム」を主体的に推進し、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のコアセンターとしても機能する。

具体的には、環境化学物質、大気汚染物質、ナノマテリアル等、環境汚染物質・環境因子の影響評価と評価手法の確立、実践、高度化、検証に取り組むとともに、ゲノミクス、エピジェネティクスに着目した環境汚染物質・環境因子の健康影響及び発現機構の解明に取り組む。また、環境汚染物質・環境因子による健康影響に関する疫学評価とその総合化、体系化、高度化、精密化に取り組む。更に、「エコチル調査」コアセンターにおいて、主に同調査の企画・調整、関係機関の業務管理及びデータ整備・管理、資料分析・ 保存等の業務にあたる。

① 生体影響研究室

健康影響の未然防止に貢献するよう、環境汚染物質・環境因子の免疫・アレルギー系等への影響とその機構の解明及びバイオマーカーの探索を行い、体系的評価システムを構築する。

② 分子毒性機構研究室

環境汚染物質・環境因子が生理機能や生体反応に及ぼす影響とその機構を解明し、機序に基づいた健康影響評価を可能とするための科学的根拠を提供する。

③ 総合影響評価研究室

環境汚染物質・環境因子の健康影響を総合的に評価することを目標とし、実験による知見から疫学研究成果までを広く体系化、総合化することにより、新たな健康影響評価手法を開発する。また、エコチル調査コアセンター業務を研究面から支援し、必要な研究基盤を提供する。

④ 環境疫学研究室

環境汚染物質・環境因子が健康へ及ぼす影響を明らかにするための疫学調査手法を開発・高度化する。更にその手法を用いた疫学調査・研究を実施し、健康影響評価及び健康被害予防のための政策に資す る知見を提供する。

⑤ 小児健康影響調査企画推進室及び小児健康影響調査解析・管理室

環境要因が子どもの健康に与える影響の解明に貢献するよう、全国10万人の妊婦の参加を募り、生体試料の採取保存や質問票による追跡調査等を開始する等「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコ チル調査)」を推進する。

研究プログラム:小児・次世代環境保健プログラム

エコチル調査から得られると考えられる環境因子と健康との関連性に関する多くの知見に加えて、健康影響メカニズムを解明することにより疫学知見に生物学的妥当性を与え、また莫大な数に上る環境汚染物質や健康影響の中から疫学研究で検討すべき対象物質や影響指標を提案するなど、これを相補・補完する実験的研究をあわせて推進することも必須となっている。そのため、環境汚染物質をはじめとする環境因子が小児・次世代に及ぼす影響を、疫学的、実験的研究の双方向から総合的に検討、評価、解明す ることをめざす。
以上の調査・研究を推進することにより、以下の方向をめざす。

  • 様々な要因を考慮した環境汚染物質の曝露評価モデルの開発及びヒト試料中化学物質の多成分一斉分析法の開発により、疫学研究に適用可能な総合的な曝露評価システムを確立し、より 効率的で精度の高い曝露評価を可能とする。
  • 小児の成長・発達を考慮した疫学的健康影響評価手法及び生物統計手法の高度化を行うとともに、実際の疫学研究への適用により得られた知見を予防等の施策に反映する。
  • 環境化学物質の胎児期・幼児期曝露が主要な生体機能に及ぼす影響と、影響に伴うエピジェネティックな変化を明らかにし、更にエピジェネティック変化の生体影響への寄与と誘導機序を解明することによって、疫学研究に生物学的根拠を与える。
  • 小児・次世代を主対象に、環境汚染物質の免疫・アレルギー疾患への影響を疾患モデル動物及び細胞を用いて解明する。また、簡易スクリーニングから詳細評価に繋がる体系的な評価システムを構築することにより、エコチル調査を補完し、優先的に調査すべき対象物質やバイオマーカーを提案する。

環境研究の基盤整備:「子どもの健康と環境に関する全国調査」の総括的な管理・運営

エコチル調査は、環境省の作成する基本計画に基づく全国規模の新規出生コホート調査であり、コアセンターは、研究実施の中心機関として調査の総括的な管理・運営を行う。

第3期中期目標期間においては、データ及び生体試料等の集積・保管・管理体制を更に強化するとともに、ユニットセンターにおける業務の支援、調査対象者とのコミュニケーション、広報活動などを含め、コアセンターとしての体制、機能を強化し、事業の推進を図る。

[外部研究評価委員会事前配付資料 (PDF 936KB)]

第3期におけるミッション/研究体制/研究の概要/ 別添資料

委員会からの主要意見

[現状についての評価・質問等]

○ 実施内容、目標・計画はおおむね妥当と考えられ、長期的な調査の実施は高く評価できるが、他省庁等の関連研究も含めた本分野研究の位置、つながりと重要性を明確に示して欲しい。

○ 実験的研究としては、環境リスク研究分野のグループよりも、より基礎科学的(基礎毒性学的)研究を目指していると見受けられるが、その場合、環境研としての研究の出口をどうするか。

[今後への期待など]

○ 全ゲノム一塩基多型SNPの探索が可能な時代において、エコチル調査に遺伝情報を含めないのはもったいない。

○ エコチル調査について、適切なタイミングを捉えて、当初の予定より長期の継続調査が必要であることをアピールすべきである。

○ エコチル調査の実施に当たっては、環境疫学の人材育成強化を期待する。また他分野の研究者にも協力してもらって、環境研らしさを発揮した研究になるようにして欲しい。

○ エコチル調査において、福島県内の被験者について、放射線の外部・内部被曝による影響調査を加えてはどうか。

主要意見に対する国環研の考え方

① エコチル調査については、収集されたデータを他の研究者等も利用できる枠組みや他省庁の競争的資金に基づいて追加的な調査を実施できる枠組みを構築することなどにより、広い分野と連携を進める予定です。

② 今中期計画において実験的研究は疫学研究との連携を重視して、疫学研究から提示される仮説に生物学的な裏付けを与える役割と実験的研究から得られた知見を疫学研究の実践の中に展開していくという役割という二つの位置づけを考えています。そのような位置づけのもとに、環境リスクそのものの短期的な評価を目指すのではなく、環境リスクを評価するための基礎的な知見を提供することを目指します。

③ エコチル調査では将来遺伝子解析を実施することを前提として同意を得て、調査に参加していただいています。具体的な遺伝子解析の内容については、解析技術の進歩をにらみながら検討を進めることとしています。内容が固まった段階で倫理審査委員会での審査をうけて遺伝子解析を実施することとしています。

④ 現在の計画を確実に進めることによって、より長期の継続調査につなげていきたいと考えています。

⑤ 人材育成については国環研だけではなく、エコチル調査の目的の一つでもあり、長期的に取り組みます。

⑥ エコチル調査において、放射線被曝に関わる健康調査に関してどのように取り扱うべきかについては、今後福島県等で実施される放射線被曝に関わる疫学調査の状況も踏まえ、環境省や関係する研究者の意見を聞きながら、検討を進めたいと思います。

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