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Ⅲ 知的研究基盤の整備:終了時の評価
1.地球環境の戦略的モニタリングの実施、地球環境データベースの整備、地球環境研究の総合化及び支援

1)研究の概要

地球環境研究センターにおける知的基盤整備として、「地球環境の戦略的モニタリング」、「地球環境データベース」、「地球環境研究の総合化および支援」の各事業を実施した。地球環境モニタリング事業では、これまでに体制を確立した大気・海洋の温室効果ガス関連観測、陸域の炭素吸収量観測など、成層圏オゾン層関連観測、陸水域観測の継続とともに、高度な観測技術導入と観測データの利用促進を進めた。地球環境データベース事業においては、データベースの整備更新とともに研究利用ツール開発を実施した。地球環境研究を支援するオフィス活動とともに、総合化事業として地球環境問題に対する国民的理解向上のための研究成果の広報・普及に努めた。主要な事業について期の中間段階でその見直しを議論し、本中期計画期間で区切りをつける事業や、次期中期計画で新規に取り組む事業について検討した。

2)外部研究評価委員会による年度評価の平均評点  

平均評点  4.8点(五段階評価;5点満点)

3)外部研究評価委員会の見解

[現状評価]

知的研究基盤の整備として、モニタリングを中心にした研究が精力的に行われており、その結果世界に発信できるデータが蓄積されていること、またデータの公表などの社会的貢献にも努力されている活動について、高く評価する。

[今後への期待、要望]

今後もモニタリングは長期的に継続すべきであるが、そろそろ何ヶ所で何を重点的に行うかを他省庁との関係・協力を含めて検討が必要な時期であると思われるので検討していただきたい。

次の方向性として生態系のモニタリングに注目していることも適切である。地球観測連携拠点(温暖化分野)の機能を強化していただくよう期待する。

4)対処方針

地球環境研究センターのモニタリング事業の多くは、長期継続を目指して開始されているため、頻繁な改廃が適切とは考えていない。今期は平成20年度に見直し作業を行い、いくつかのモニタリング項目について、縮小、廃止の基本方針を取りまとめた。今後も数年毎に見直しを行い、それまでに取得したデータや設備等をできる限り活かす形の改廃を行う必要がある。

文部科学省地球観測推進部会や関係府省・機関による地球観測連携拠点(温暖化分野)などの活動で、モニタリングにおける省庁間の協力と分担について議論が進んできた。今後もその議論に注意を払いながら、研究のニーズを重視する当センターモニタリングの特長を生かして事業を進める。

モニタリング項目の改廃に伴い、パイロット研究として生態系モニタリングの新たなニーズに対応することとし、地球環境研究センターモニタリング事業の特長を生かして、単なる観察にとどまらない研究手法を盛り込んだ。パイロット研究では、観測技術開発および長期継続性確保の検討を実施しており、その成果を吟味して長期継続フェーズに移行するかを今年度中に判断することとしている。

当センターに事務局が設置されている地球観測連携拠点(温暖化分野)の機能強化については、観測関係府省・機関連絡会議の場などを通じて、議論を進めたい。

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