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Ⅱ 基盤的な調査・研究活動:終了時の評価
5.大気圏環境研究

1)研究の概要

気候変動やオゾン層破壊問題、越境広域大気汚染、更には都市における大気環境問題など、地球規模から局所的な大気環境に係る課題について、2つの重点プログラム(温暖化研究プログラム、アジア自然共生研究プログラム)や他研究領域ならびに外部研究機関とも連携しつつ研究を進めている。特に、ライダー計測手法の高度化によるエアロゾルの物理化学的な性状の識別と時空間分布の観測、O2/N2比の観測などに基づく全球的な炭素収支や地域スケールでの温室効果気体の発生源推定、数値モデルを用いた地球環境(気候変動やオゾン層破壊)の将来予測と過去の環境変化の検出と変化要因の推定、有機化合物の多成分同時リアルタイム分析法を活用した有害有機物質の排出特性計測法の開発、などの研究を推進した。

2)外部研究評価委員会による年度評価の平均評点

平均評点  4.5点 (五段階評価;5点満点)

3)外部研究評価委員会の見解

[現状評価]

新規な測定ツールや予測ツール(有意な部分抽出法等)の開発や温暖化に関する新たな知見など、基盤領域として学術的にきわめて質の高い研究が的確に進められ、成果も上がっている。また、重点プログラムと相互に関連しながら研究ポテンシャルを継続しており、次世代プログラムの柱となりうる研究の芽出しに成功している。

[今後への期待、要望]

大気圏環境を研究する領域としてのまとまり及び方向性(総合的・重点的に取り上げるべき将来的研究課題の探索)や、プログラムとの交流・連携の動的な姿について更に明確に確立されたい。また、無理をして検出と帰属をやるとどうしても誤差が大きくなると思われるので、それに対する対策あるいはデータの使い方(社会への発信や政策への反映)には留意する必要があろう。

4)対処方針

重点研究プログラムとの連携を更に強化していくと共に、プログラムで取り組まれている環境研究の今後の展開に繋がる研究をこれまで以上に推進したい。また、地球規模・地域規模の環境問題と国内の大気圏環境問題が色々な形で関連していることも踏まえた研究の展開を図っていきたい。

検出と帰属研究については、検出・帰属を行う際の誤差評価ならびに検出・帰属された事象に対する合理性の検証などを更に注意深く行っていきたい。また適切な評価に立脚した成果の社会・行政への発信・還元に努めていきたい。

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