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VI-2 循環型社会研究プログラム中核研究プロジェクトの中間評価
4.国際資源循環を支える適正管理ネットワークと技術システムの構築(平成18年度〜22年度)

1)研究の概要

日本を含めたアジア地域での適正な資源循環の構築に貢献すべく、途上国を中心とする各国での資源循環、廃棄物処理に関する現状把握を通して、アジア地域における資源循環システムの解析を行う。また、技術的側面からの対応として、適正処理及び温暖化対策を両立する途上国に適合した技術システムの設計開発とそれを現地に適用した場合の効果の評価を実施する。これらを総合し、該当地域における資源循環システムの適正管理ネットワークの設計及び政策の提案を行う。

2)外部研究評価委員会による中間評価の平均評点

4.1  点

3)外部研究評価委員会の見解

[現状評価]
本プロジェクトは、“物質フロー分析によるアジア地域における資源循環システムの解析と評価手法の開発および国内・国際の制度分析と政策提案”、“アジア諸国における資源循環過程での環境影響の把握”、“適正処理および温暖化対策を両立する途上国に適合した技術システムの開発と適用”の3つのサブテーマで構成される。FTA等により物流の国境障壁の低下が必至である状況において、アジア圏における物流と、それに伴うRecycle、 Reuseの在り方、システムを対象とする本研究の意義は大きい。本研究でアジア諸国の研究者とのネットワークの確立、模擬実験、廃棄物処理の比較分析等を行ったことで、これまで解明されていなかったE-wasteや有害金属等のフローが徐々に明らかになっており、高く評価できる。

[今後への期待、要望]
今後、本プロジェクトの成果が廃棄物・資源循環のみではなく、アジア全体の製品設計や使用基準にまで還元され、さらには日本の国益をふまえたアジア・国際環境戦略の提案につながるような成果を期待したい。また、サブテーマ3は他の2つのテーマと違和感があるので、研究の進め方に工夫されたい。一方、本プロジェクトではE-wasteを中心としたMFAによって状況が明らかにされたが、次のステップとしてどうすればよいのか、望ましい方向性を示す必要があろう。

4)対処方針

アジア全体の製品設計や使用基準については、日本からの循環資源が中国などで製品原料に利用されている状況を考えれば非常に重要なご指摘ととらえており、中核プロジェクト2と一層連携してプラスチックを主とした検討を続けたいと考えている。

国際的な循環型社会形成のためにも、サブテーマ1と2で担当している国際資源循環(越境移動と海外現地の資源循環)の適正化とともに、サブテーマ3でも各国の廃棄物管理の向上に資するよう努めているが、今後ともサブテーマ間の連携と役割には十分配慮したい。サブテーマ3は既にODAと関係しているものがあるが、技術開発と評価を重点的に行っている。研究、ODA、民間として実施すべき内容と役割に十分配慮しながら、国内外の研究所以外のアクターとの協同やネットワーク化を意識するとともに、CDMなどにおいても研究成果が適切に利用されることを心がけたい。

E-wasteなどに関して、見解で指摘された実態把握の次のステップが必要であることは強く認識している。中期計画期間の後半は、越境移動や環境影響の把握の作業は継続しつつ、中核プロジェクト1や2とも連携して国際資源循環の総合的な解析・評価・提言を目指したい。

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