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VI-2 循環型社会研究プログラム中核研究プロジェクトの中間評価
3.廃棄物系バイオマスのWin-Win型資源循環技術の開発(平成18年度〜22年度)

1)研究の概要

本中核研究プロジェクトは、廃棄物の削減と一体となってエネルギーおよび資源の循環利用が図れる技術および複合的な技術システムを開発すること、およびこの開発技術の適用によって同時に温暖化防止にも寄与することを目的とする。本中核研究では、技術開発の対象を廃棄物系バイオマスとすることから、技術の成果を温室効果ガスの排出量削減に直結させることが可能となり、廃棄物の量的削減という地域的な環境問題の解決のみならず、地球環境問題の解決にも役立つ研究と位置づけられる。さらに、エネルギーと資源の持続的な確保にも役立つこと、既存の産業と廃棄物対応プロセスとの連携または一体化による廃棄物排出の回避・低減を可能とするシステムの実現をも目指すことから、経済性の面においても合理的に実社会への導入を図ることを可能とする。

2)外部研究評価委員会による中間評価の平均評点

3.6  点

3)外部研究評価委員会の見解

[現状評価]
本プロジェクトは、“炭素サイクル型エネルギー循環利用技術システムの開発と評価”、“潜在資源活用型マテリアル回収利用技術システムの開発と評価”、“動脈・静脈プロセス間連携/一体化資源循環システムの開発と実証評価”の3つのサブテーマから構成される。本プロジェクトは、環境省をはじめとして他行政機関も関心をもっているテーマであり、廃棄物系バイオマスの資源循環技術の開発を目指し幅広い技術シーズを検討し、それらの技術の有用性の総合的評価を目指している点は高く評価される。一方で、他の研究機関による研究と比較して独創性や思想が必ずしも明確でなく、最終目標のWin-Win型資源循環技術の将来像が見えにくい現状となっている。

[今後への期待、要望]
今後、例えば研究の焦点を絞り込むなどにより、残りの研究期間でのプロトタイプの処理技術の実証にまでサブテーマを完成することを期待する。また、国環研としての独自性、研究の出口を明確にして今後の研究を進めて頂きたい。

4)対処方針

本研究プロジェクトは、これまでエネルギー回収を目指すサブテーマ1、マテリアル回収を目指す同2、動脈/静脈連携システムの構築を目指す同3により進めてきた。

分科会見解中、研究の焦点を絞り込むことなどにより今後の期間にプロトタイプの処理技術実証にまでサブテーマを完成することについては、今年度前半の期間内において個別技術の進捗度と上記実証までに必要な条件等を精査することにより、サブテーマまたは個別技術の選別を行うこととする。

国環研としての独自性を明確にすることについては、個別技術にあってはそれぞれ備えていると判断しているが、今後はさらに、本研究プロジェクトは適正な廃棄物処理技術の開発でもあることを踏まえた環境負荷低減および安全に関する視点を明確に示すよう努める。また、中核プロジェクト全体としての独自性という観点から、サブテーマの絞り込みを行う過程で総体としての独自性をも鮮明にしていく所存である。

研究の出口を明確にするべきであるという指摘については、選別する個別テーマの研究到達点すなわちプロトタイプを示すとともに、動脈/静脈連携システムに当該資源化技術を組み込み、それを適用した実証等を踏まえて総合的な到達点を示す。これらを通じて、従来の廃棄物処理体系における本研究プロジェクト開発技術の位置づけを明確に示す。

本研究プロジェクトの内容について、今年度以降、他の中核プロジェクトの関連研究とも連携して、環境省をはじめとする行政や産業界等への成果の発信とともに、廃棄物系バイオマスに係る循環利用技術の開発戦略のあり方を議論する場を積極的に設け、本分野における先導役を果たしながら本研究プロジェクトの独自性等を表明していく。

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