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V 知的研究基盤の整備の年度評価
1.スペシメンバンキング、レファレンスラボ、細胞・遺伝子保存

1)研究の概要

環境研究者の研究開発活動を安定的かつ効果的に支える知的基盤として、(1)環境標準試料の作製と分譲、 (2)分析の精度管理、(3)環境試料の収集と長期保存、 (4)絶滅危惧生物の細胞・遺伝子保存、(5)環境微生物の収集・保存と分譲、及び(6)生物資源情報の整備を行い、環境分野における物質及び生物関連のレファレンスラボラトリー(RL:環境質の測定において標準となる物質・資料や生物および手法を具備している機関)としての機能の整備と強化を図る。

2)外部研究評価委員会による年度評価の平均評点

4.1  点

3)外部研究評価委員会の見解

[現状評価]

環境標準試料の作製および保存という重要なミッションを担っている本業務は、業務的要素が大きいものの環境関連業務としての必要性は高く、日本の研究の大事な基礎を担っている分野である。目標達成に向けて着実に粛々と進められており、日常の地道な努力が感じられ、これまでの貢献に対して敬意を表したい。
一方で、研究成果の還元に関して、若干見えにくい印象を受けた。

[今後への期待、要望]

ラボラトリーの将来像、長期目標を明確化する時期に来ている。スペシメンバンキング機能については、試料保存スペース確保についての長期的展望や予算などの具体的見積の検討、収集試料の偏りに対する検討、他機関の試料の引き受けの検討、一部の業務の外部委託検討などを行ってはどうだろうか。また、保存試料の利用方針の整備、活用実績の提示や、試料価格設定の再検討も行って頂きたい。このような環境試料の保存は国環研のみで責任をとるべきではなく、これらの検討の成果がわが国全体としての国策設定に繋がるものにもなるように働きかける活動も期待する。また、保存試料に関する国際的な情報発信も行って頂きたい。

4)対処方針

ラボラトリーの将来像に関しては、研究所内において検討するとともに、所外の有識者の意見等も聴取して、今計画期間中を目途に明確化を期する。

長期保存試料については、単に冷凍倉庫とならないように、試料の活用法について所有権を有する環境省とも協議の上、今後とも検討を継続する。これにより、利用方針や保存スペース等について、より具体的な展望を提示できるものと考える。国際的な環境試料バンク活動に対する関与は、これまでも行ってきているが、更に強化する方策を検討する。

環境標準試料等の配布価格については、国内外の他機関における状況を調査するなど、検討を加える。

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