ホーム > 研究紹介 > 研究計画・研究評価 > 外部研究評価 > 平成20年外部研究評価実施報告 > スペシメンバンキング、レファレンス・ラボラトリー及び環境微生物の保存等、試験用生物等の開発等のための体制整備等、野生生物種の細胞・遺伝子保存

ここからページ本文です

知的研究基盤の整備
研究課題名 スペシメンバンキング、レファレンス・ラボラトリー及び環境微生物の保存等、試験用生物等の開発等のための体制整備等、野生生物種の細胞・遺伝子保存

実施体制

代表者:
環境研究基盤技術ラボラトリー  ラボラトリー長  植弘  崇嗣
分担者:
【環境研究基盤技術ラボラトリー】
環境分析化学研究室 西川雅高(室長)、佐野友春(主任研究員) 高木博夫(主任研究員)、森育子 (NIESフェロー)
生物資源研究室 桑名貴(室長)、高橋慎司(主任研究員) 清水明(主任研究員)、戸部和夫(主任研究員) 川嶋貴治(主任研究員)、大沼学(NIESフェロー) 橋本光一郎(NIESフェロー)、 サビツカ エディタ(NIESフェロー) 今里栄男(NIESアシスタントフェロー) 大塲麻生*)(NIESアシスタントフェロー)
【化学環境研究領域】
柴田康行(領域長)、 吉兼光葉(NIESアシスタントフェロー) 武内章記(NIESアシスタントフェロー)
無機環境計測研究室 田中敦(主任研究員)
【生物圏環境研究領域】
微生物生態研究室 笠井 文絵(室長)、河地(主任研究員)

※所属・役職は年度終了時点のもの。また、*)印は過去に所属していた研究者を示す。

研究の目的と今年度の実施概要

(1) 背景と目的

第3期科学技術基本計画(平成18年3月28日)およびそれに基づく分野別推進戦略(平成18年3月)にあるように、自然科学全般についてだけでなく、環境分野においても知的基盤の整備や標準化の取組等を重点的な項目として挙げている。

環境分野における知的基盤の根幹となる、環境標準試料(環境試料測定における精度管理をする試料)、環境試料の長期保存(新たな環境汚染の検証やバックグランド用)、環境保全に有用な生物資源の探索と保存、そして絶滅危惧生物の細胞組織保存といった知的基盤におけるレファレンス部分の整備が極めて遅れている。このことはモニタリングにおけるデータの精度の向上を妨げる根源となっている。

国際的観点から見ると、知的基盤におけるレファレンスの充実した国が科学技術を環境政策の面で主導権を握っている。知的基盤における物質関連のレファレンスはモニタリングのための分析法開発、精度管理、新たな環境汚染の検証等に必須であるが、環境分野では体制の整備も含めて遅れており、早急に整備することが必要である。生物関連のレファレンスは生物種の同定に用いられるタイプ株やレファレンス株だけでなく、自然生態系から選抜した指標生物の開発なども含まれる。これらのレファレンスの整備は、新たな分析手法や精度管理手法の開発のドライビングフォースとなり、モニタリング精度やデータベースの信頼性の向上につながり、また、生物学的多様性の保全およびその持続的活用を実現するために不可欠な基盤となってくると考えられる。

(2) 事業の全体フレーム

上記目的の下、本知的研究基盤は、1)環境標準試料及び分析用標準物質の作製・分譲並びに環境試料の長期保存、2)環境測定等に関する標準機関(レファランス・ラボラトリー)としての機能の強化、3)環境保全に有用な環境微生物の探索、収集及び保存、試験用生物等の開発及び飼育・栽培のための基本業務体制の整備、並びに絶滅の危機に瀕する野生生物種の細胞・遺伝子保存、4)生物資源情報の整備の4事業とこれらの事業の品質保証・向上、付加価値向上のための研究並びに各事業から先端研究分野へのブレークスルーをおこなっており、これらの事業・研究を相互に連携させてレファレンスラボラトリー機能(RL:環境質の測定において標準となる物質・試料や生物および手法を具備している機関)の整備に努めている。

研究予算

(実績額、単位:百万円)
  平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 累計
運営交付金 129 252        
公的受託・請負費 405 405        
民間受託費 5 9        
科学研究費 2 1        
寄付金 1 1        
依頼分析 10 10        
分譲費 11 11        
総 額 563 689        
※運営費交付金については、平成19年度から配分方式が変更になったため、実質的には同等の水準である。