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国立環境研究所サイエンスキャンプ2005

サイエンスキャンプ2005最終日(7月28日(木))のフィールドワークの説明 

 研究学園都市の北に位置する筑波山は標高が876mあります。北アルプスのような3,000m級の山々と比較すれば、ずっと低い山と思われるかもしれませんが、実は種子植物だけでも700種以上が生育する植物の宝庫です。わずかな標高差で森林帯が移り変わり、山麓から頂上に登るまでにおよそ3つの植生帯の移り変わりを観察することが出来ます。では何故、筑波山では植物の種数が豊富なのでしょうか?また、低い標高で植生帯が移り変わるのでしょうか?
 これらの問題を考えるために、植物が生育している様子を実際に自分の目で見てみましょう。今回のプログラムの後半では、実験室から飛び出して筑波山に登ります。野外での植物の生き様を観察することを通じて、生物と環境との関わりについて考察します。
(課題1)筑波山における植物の垂直分布の観察。
 わずかな標高差で植生帯が移り変わる様子をこの目で見てみよう!
(課題2)代表的な植物の垂直分布図の作成。
 一人当たり3種の植物を担当してもらいます。参加者の6人で協力し、合計18種の垂直分布を調査します。誰がどの植物を調べるのか は当日発表します。
(課題3)山頂付近でのブナ−スズダケ群集の観察。

 環境中では、様々な化学物質が動き回っていますが、その過程でどのように変化・移動するかを調べることは、環境を理解するための基本的アプローチです。このキャンプでの経験が、環境問題を科学的な立場から理解する最初のステップになることを期待しています。