国立環境研究所サイエンスキャンプ2005

 国立環境研究所は、本年も(財)日本科学技術振興財団が主催する「サイエンスキャンプ2005」に協力し、つくば本構内等において「植物の環境浄化能力を考えよう」というテーマでプログラムを実施します。
 サイエンスキャンプは、様々な最先端の研究成果や研究施設・実験装置等を有する公的研究機関が、高等学校、中等教育学校後期課程または高等専門学校(1〜3年)等に在籍する生徒を、一定期間受け入れる科学技術体験合宿プログラムです。各会場ではそれぞれの特徴を生かした、実習・実験を主体とする科学技術体験学習、研究者・技術者との対話、参加者同士の交流を行います。
*サイエンスキャンプ参加申し込みは、締め切りました。たくさんのご応募有り難うございました。
開催期間 2005年7月26日(火) 〜 7月28日(木)
会場 独立行政法人国立環境研究所(茨城県つくば市小野川16-2)及び筑波山
募集対象・人員 応募締切日時点で、高等学校、中等教育学校後期課程または高等専門学校(1〜3年)等に在籍する生徒。
6名程度
応募締め切り 2005年6月27日(月)必着
お問い合わせ先 財団法人 日本科学技術振興財団 振興部内 サイエンスキャンプ事務局
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号
TEL:03-3212-2454
FAX:03-3212-8449,0014
ホームページ:http://ppd.jsf.or.jp/camp/
E-mail:camp@jsf.or.jp
国立環境研究所本館 フィールド調査予定・筑波山 高速液体クロマトグラフ
国立環境研究所本館
筑波山(7月28日に自然観察・フィールド調査予定)
HPLC(高速液体クロマトグラフ)

概 要
 国立環境研究所では、私たちが暮らしている環境と植物や動物などの生態系との関わりについて研究を行っています。
 地球の環境の中で、人間が活動することによって様々な汚染物質が環境中に排出され、生物にとって好ましくない環境が存在しています。人間を含む動物は、好ましくない環境を避けて移動することもできますが、植物や微生物は自分の力では移動できません。その代わりに、「気に入らない環境」を「気に入った環境」に変えていく能力(環境浄化能力)を持っています。今回のサイエンスキャンプでは、植物が持っている環境浄化能力に着目し、それを実験・観察することにより、我々の生活が様々な生物によって支えられていることを考えるプログラムとしました。つくばの研究施設内での実験・観察のほか、筑波山中腹の登山道に出かけ、植物とまわりの環境の関わり方についても調査する予定です(※野外調査の場所を小貝川から筑波山に変更しました)。

内 容
植物の環境浄化能力を考えよう
人間は便利で豊かな生活を送るために、多くの有機化学物質を使用し、その一部を環境中に排出しています。それらの多くは環境中で大気や水を介して輸送され、植物や土壌細菌によって吸収・分解されます。本プログラムでは、このうち植物によって有機化学物質が吸収されていく様子を観察します。
分析装置を使用して汚染物質を追跡する
具体的には、実験用として準備した植物に、微量の汚染物質を含む水を与えて、汚染物質が植物内にどのように取り込まれ、どのように変化するかを追跡します。この実験には、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)という少しレベルの高い技術を使いますが、分析装置の使い方やその原理も研究者がわかりやすく説明しますのでご安心ください。
自然観察・野外調査(詳細こちら
筑波山中腹の登山道に出かけ、そこでの植生を観察し(観察のコツを特別に伝授します)、それぞれの植物が生態系の中でどのような役割をしているのかを考えます。フィールドワークになりますので、動きやすい服、靴を各自準備してください。

スケジュール
7月26日(火)
13:00〜13:15 集合・受付 (国立環境研究所特別会議室)
13:15〜13:30 開講式/オリエンテーション
13:30〜14:00 研究所の概要説明
14:00〜15::30 主な研究施設見学(地球温暖化、循環・廃棄物、化学物質関係施設を予定)
15:30〜17::00 プログラムオリエンテーション(植物の浄化能力の検出、準備のための実習)
7月27日(水)
09:30〜12:00 植物内の化学物質分析実施(機器使用方法の説明等含む)
12:00〜13:00 昼食
13:00〜16:00 植物内の化学物質分析・結果考察
16:00〜17:30 ディスカッションと講義
18:00〜20:00 懇親会
7月28日(木)
08:00〜12:00 筑波山中腹の登山道に出かけて、自然観察・フィールド調査
12:00〜13:00 昼食
13:00〜15:00 研究所にてキャンプのまとめ、閉講式