加速器質量分析法について


    「加速器質量分析法」は、質量分析の原理とタンデム加速器の特徴を組み合わせ、試料に含まれる極微量の同位体を正確に数えて同位体比を測定する分析法です。英語では、Accelerator Mass Spectrometryと表記するため、頭文字をとってAMSと呼ばれています。

    質量分析は、磁場の中のイオンの軌道が重さによって異なることを利用しているため、同じ質量数を持つイオンを相互に区別することは困難です。例えば炭素の放射性同位体である14Cを測定する場合、同じ質量数を持つ窒素(14N)イオン、あるいは炭素の安定同位体(12C)と水素が結合したCH2イオンが測定を妨害します。AMSでは、図に示したように、1)最初に負イオンをつくる際に電子親和性のない妨害元素(窒素)のイオン化を抑え、2)ターミナルの荷電変換部での衝突で電子をはぎ取ると同時に分子イオンを破壊し、3)さらに高エネルギーイオンの検出の際に個々のイオンのエネルギー計測から元素を区別することで以上の妨害を完全に排除して、環境中に極めて微量にしか存在しない宇宙線起源の長寿命放射性同位体(14Cのほか10Be、26Al、36Cl、41Ca、129I等)を正確に測ることができるのです。

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