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つくばE3セミナー(E3 = Ecology, Evolution and Environmental Biology)


趣旨

つくばE3セミナー(E3 = Ecology, Evolution and Environmental Biology)は、つくば周辺の生態学、進化生物学、環境生物学の研究者が交流するための場として、2013年から始められたセミナーです。
分野や研究機関の垣根を越えた研究者間の交流を活発化し、つくばの生物・環境系の研究を盛り上げていきたいと考えています。
現在、国立環境研究所、農研機構 農業環境変動研究センター、森林総合研究所の研究者有志により運営されておりますが、幅広く外部からの参加を歓迎します。

第16回 つくばE3セミナー個体群理論研究の新しい流れ(環境情報基盤研究領域特別セミナーとの共催)

日時:11/1(水) 14:15-17:30
場所:農業環境変動研究センター547会議室
交通案内:http://www.naro.affrc.go.jp/niaes/introduction/access.html
※セミナー後に演者を交えて懇親会を予定しています。

本セミナーでは最先端で活躍する新進気鋭の個体群生態学者3名をお招きして研究紹介していただく予定です。また当研究センターに滞在中の中国検験検疫科学研究院のPan博士に、中国での植物検疫状況と対象害虫リストについて講演を行っていただきます。基本英語での発表を予定しています。こんなにも豪華なセミナーシリーズ、なかなか企画できません!是非、皆様奮って御来所ください。セミナー終了後、講師の先生方および、当研究センターに滞在されている米農務省森林局Liebhold博士を囲んで、懇親会を行います(つくばセンター付近を予定)。参加ご希望の方は、10月30日お昼までに環境情報基盤研究領域統計モデル解析Uの山中武彦さん(apple(at)affrc.go.jp)までご連絡ください。

講演者1: 山口 諒(首都大学東京)
タイトル:交雑によって促進される侵入種のアウトブレイク: 理論と予測

要旨: 外来種問題をはじめ、自然界には在来種と侵入種の間にしばしば交雑帯が観察される。種間の競争関係や環境勾配の程度により、共存や排除など様々な帰結がもたらされることは、1980年代からの多くの理論的予測と野外研究が実証してきた。本講演では米国に侵入したフユシャクを例に、交雑が侵入種の踏み台となることで結果的に侵入を助ける数理モデルを紹介する。シンプルな個体群動態モデルによってアウトブレイクの条件を検討したのち、空間明示的な伝播の様子の再現を行う。さらに、野外で得られる時系列モニタリングデータと組み合わせることで、将来的な侵入可能性を予測する理論が展開できるか議論したい。

講演者2: 川津一隆(龍谷大学)
タイトル:なぜ種間で動態は同期するのか:非線形時系列解析を用いた検証

要旨: 生物の発生動態が異種間で同期するという現象は様々な分類群において観察されている.その原因には非生物的なもの(共有する環境変動)から生物的なもの(共通の捕食者など)まで様々な要因があげられる.しかしながら,1)実験的な検証が不可能,2)統計的な相関から因果関係はわからない,という二つの障壁から,その主要因を解明するには大きな困難が伴ってきた.私はこの‘障壁’を乗り越える手段として,時系列データだけから因果関係やその効果量の推定が可能な手法:非線形時系列解析EDM(Empirical dynamic modeling)に着目した.具体的には,スロバキアにおける葉食性鱗翅目昆虫の発生動態時系列と関連する環境変動時系列に対してEDMを適用しそれらの間の因果関係を推定する解析を行っている.本講演ではその速報的な結果を紹介し,今後の展望について議論したい.

講演者3: 長田穣(総合地球環境学研究所)
タイトル:Multistate occupancy modelによるマツ枯れ動態の駆動要因の解明

要旨: マツ枯れは線虫を病原とする樹木感染症のひとつである。日本では1930年代に長崎県で発見されて以来、徐々に分布域を拡げ、近年では東北地方でも分布が拡大していることが知られている。本研究では、東北地方における分布拡大の駆動要因を探るため、東北6県の森林・林業試験研究機関によって収集された長期観測データ(1980-2008)を状態空間モデルの一種であるMultistate occupancy modelによって解析した。セミナーでは、マツ枯れの発生に重要と考えられる有効積算温量や降水日数といった環境要因の効果や、媒介昆虫であるカミキリの移動分散の効果や密度依存的な効果(Allee effect)がマツ枯れの動態にどのような影響を与えているのか議論したい。

講演者4: 潘緒斌(Pan, Xubin:中国検験検疫科学研究院 Institute of Plant Quarantine, Chinese Academy of Inspection and Quarantine)
タイトル:Interrelation of Plant Quarantine Pest Lists in China

要旨: Plant quarantine pest list plays a vital role in plant quarantine. In this study, we introduced development and framework of plant quarantine pest list and list of some developed countries. The relation between content of plant quarantine pest list of inbound, agricultural, forestry and invasive alien insect list was studied. There are 50 species (genus) cross-insects in each list. This study discussed the problems and puts forward some suggestions for the improvement of list.

これまでの講演

 2017年度

 2016年度

 2015年度

 2014年度

 2013年度

セミナー係

国立環境研究所
角谷拓 (kadoyaアットnies.go.jp)
竹内やよい (takeuchi.yayoiアットnies.go.jp)
深澤圭太 (fukasawaアットnies.go.jp)
横溝裕行 (hiroyuki.yokomizoアットnies.go.jp)
吉岡明良 (yoshioka.akiraアットnies.go.jp)

農研機構 農業環境変動研究センター
大澤剛士 (arosawaアットaffrc.go.jp)
片山直樹 (katayama6アットaffrc.go.jp)
馬場友希 (ybabaアットaffrc.go.jp)

森林総合研究所
黒川紘子(hirokokurokawaアットffpri.affrc.go.jp)
中下留美子 (nakashitaアットaffrc.go.jp)
鈴木節子 (setsukosアットaffrc.go.jp)

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