(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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アゾラ・クリスタータ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 アゾラ・クリスタータ, アメリカオオアカウキクサ

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アゾラ・クリスタータ
分類群 維管束植物 シダ植物 アカウキクサ科
(Azollaceae, Hydropteridales, Filicopsida, Pteridophyta)
学名 Azolla cristata
主なシノニム A. microphylla, A. mexicana, A. caroliniana
英名等 Water fern
自然分布 アジア,アフリカ,南北アメリカ
形態 小型の浮遊植物.一~二年草.全体は円形~やや五角形で,直径5~30mm.ヒノキの葉のように見える.葉は楕円形で無柄.水面で覆瓦状に2列に互生.葉は秋に赤色になる.
生息環境 水田,休耕田,ため池等止水域.必ずしも水面とは限らない.
温度選好性:温帯
繁殖生態 繁殖期:夏季に栄養繁殖を行う.
農業用雑種には稔性がないとされている.栄養繁殖.
生態的特性 開放水面等を覆うように繁茂する.空気中の窒素を固定する藍藻(Anabaena azollae)と共生しているため,繁茂すると富栄養化を引き起こす可能性があり,水面を覆うことにより在来種との競合,水面下の水生生物への被陰の影響が懸念される.
侵入情報
国内移入分布 宮城,茨城,群馬,埼玉,東京,愛知,岐阜,三重,滋賀,京都,大阪,和歌山,兵庫,岡山,広島,香川,愛媛,徳島,福岡,佐賀の各都府県.神奈川県にも一時侵入していた. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
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移入元 不明
侵入経路 合ガモ農法に随伴して合ガモの餌飼料,マルチング用,緑肥用に導入.水鳥の脚などに付着して分布拡大していると言われている.
侵入年代 1990年代から利用が広がった.
影響 被陰,富栄養化,近縁種との競合,遺伝的撹乱等.
影響を受ける在来生物:在来のアカウキクサ類(アカウキクサ A. imbricate,オオアカウキクサ A. japonica)(競合・交雑)
淡水生物群集(被陰・富栄養化)
法的扱い 特定外来生物として2次指定された.
防除方法 導入を避ける,浮遊個体の水田からの流出を防ぐ.合ガモに食べつくさせる.ハス田などにも広がっており,観賞用水草,園芸植物等も含め移動の際には付着に注意する.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 不明
備考
各地の水田,蓮田等に急速に広がっている.分類や交雑状況の把握が難しいため,野外における外来種の利用には十分な注意が必要である.カモ類など渡り鳥などが小さな植物体を付着させたまま各地に飛来し分布を広げる危険性がある.
Azolla microphylla, A. mexicanaA. carolinianaを含めてA. cristataと再定義された.

令和5(2023)年度 環境省「特定外来生物の市町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/category.html
※都道府県単位の分布地図は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市町村単位の分布地図は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある.
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