(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ニホンスッポン

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ニホンスッポン

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ニホンスッポン
分類群 爬虫綱 カメ目 スッポン科
(Trionychidae, Testudines, Reptilia)
学名 Pelodiscus sinensis
英名等 Chinese softshell turtle
自然分布 ベトナム南部から中国大陸沿岸部,台湾,ロシア極東地域,日本本土までの東アジア一帯.国内では,本州以南の日本列島.島嶼部では壱岐・五島列島.
形態 背甲長は最大で35cm.体重はメス背甲長19cmで1,000g前後.オスのほうがやや大きい.甲は扁平で他のカメ類と異なり鱗板を持たず,柔らかな皮膚に覆われている.吻端が強く突出し,ここに鼻孔が開く.くちばしは強力で咬みつくとなかなか放さない.
生息環境 ほぼ完全に水生.河川の中・下流域や池,湖沼などに生息.
温度選好性:本州中部以南に分布し,南西諸島に定着している.東北地方以北で再生産できるかどうかは不明.
繁殖生態 雌は地面に穴を掘り,直径20~24mmの球形の卵を産出する.孵化までの日数は40~80日,普通60日程度.産仔数:1回の産卵数は10~40個.
繁殖期:交尾は4月~6月,産卵は6月上旬~8月下旬になされる.
生態的特性 昼行性で日光浴を好む.産卵時以外は水辺から離れない.
食性:基本的に肉食性.貝類,昆虫類,カエル,魚類など多様な動物を捕食する.飼育下では植物食も摂食する.
侵入情報
国内移入分布 琉球列島.大隅諸島(屋久島,種子島),奄美諸島(喜界島,奄美大島,徳之島),沖縄諸島(伊平屋島,沖縄島,久米島),大東諸島(北大東島,南大東島),先島諸島(石垣島,西表島,波照間島,与那国島). 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 鹿児島県側(奄美諸島以北)には日本列島から,沖縄県側(沖縄諸島以南)には台湾から,直接または間接的に持ち込まれた.
侵入経路 食用,養殖用として持ち込まれたものが逸走したとみられる.
侵入年代 1950年代~1980年代
影響 捕食圧,生息場所を巡る競争.
影響を受ける生物:淡水魚類(捕食・競合),無脊椎動物(捕食).
法的扱い 規制は特になし.環境省版レッドデ-タブックにはDD(情報不足)として記載されている.
防除方法 水域に広く分散して生息するため,効率よく駆除することは困難.魚のアラ等をエサとしたトラップを多数設置することである程度の捕獲が可能とみられる.食用に捕獲する際には,トラップの他,大きな錨針を用いて日光浴中の個体を引っ掛け,釣り上げる方法も用いられる.
問題点等 本種は水産資源としての価値が高く,食用や養殖用に生きたままの輸送が頻繁になされている.
海外移入分布 タイ,マレーシア,ハワイ,グアム,ティモールなど
備考
日本本土と台湾の在来集団を別亜種とみなす見解もある.この場合,前者が亜種ニホンスッポン P. s. japonicus,後者がチュウゴクスッポン P. s. sinensis となる.
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