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ヤギ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ヤギ

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ヤギ
分類群 哺乳綱 偶蹄目(ウシ目) ウシ科
(Bovidae, Artiodactyla, Mammalia)
学名 Capra hircus
英名等 Feral goat
自然分布 家畜種.パキスタン・アフガニスタン・トルクメニスタン~中東・カフカス~トルコの山地帯に断続的に分布する野生ヤギ Capra aegagrus を原種として,紀元前10000~7000年ごろに家畜化されたと考えられている.家畜ヤギの起源としては,ベアゾール(カフカス地方亜種 C. a. aegagrus)と言われているが,最終的な結論は出ていない.
形態 体色は変化に富み,白色,黒色,暗褐色,灰褐色や,それらが混じる.両性とも特徴的なヒゲと角を持つ.角の形や長さは多様で,後方に湾曲したり,螺旋状,あるいは左右に広がる.角長:雄成体75cm前後,雌30cm以下.体重:雄成体27~45kg,雌成体25~35kg.
生息環境 幅広い環境下で生存可能.
繁殖生態 繁殖期:発情期は秋.父島ではほぼ1年中繁殖.ただし,多くは11月~4月に生まれる.
妊娠期間は144~158日程度.産仔数は年1回1~2子
生態的特性 雌雄別々に2~10頭程度の群を作る.危険が迫ると100頭以上の大きな群を作る.木登りも出来る.
食性:ほとんどの木本・草本類,葉・芽・樹皮
侵入情報
国内移入分布 父島(小笠原諸島),八丈島(伊豆諸島),馬渡島(佐賀県),五島列島の一部,宇治群島,屋久島(大隅諸島),悪石島・臥蛇島(トカラ列島),奄美大島・徳之島(奄美諸島),伊平屋島・屋那覇島・粟国島・慶良間島(沖縄諸島),西表島(八重山諸島)魚釣島(尖閣諸島).小笠原諸島の多数の島,伊豆諸島の八丈小島などにもかつて定着していたが,駆除事業により根絶された. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 不明.各地で様々な品種が繰り返し持ち込まれているといわれている.
侵入経路 家畜として飼育されていたものの野生化.佐賀県馬渡島・伊豆諸島八丈小島では,島外への移住者が置いていったヤギが野生化.奄美大島では放し飼いに近い状態だったものの管理放棄.小笠原では,食料資源としての無人島への放逐.
侵入年代 琉球列島では,15世紀に導入されて飼育されるようになった.本土では幕末以降.小笠原諸島への最初の導入時期は不明だが,文献記録によれば,1824年には確認されておらず,1853年時点ですでに定着していた.
影響 採餌・踏みつけによる植生の破壊,それに伴う希少・固有植物の減少,鳥類等の生息地の劣化,土壌崩壊による海洋汚染,それに伴う珊瑚礁・漁場の劣化.農業被害.糞による環境汚染.
影響を受ける在来生物:各種植物(オオハマギキョウ,オガサワラアザミ,ユズリハワダンセンカクカンアオイ,センカクオトギリ,センカクハマサジなど),鳥類(クロアシアホウドリ,カツオドリ,オナガミズナギドリ),センカクモグラ,各種サンゴなど.農作物,漁業資源
法的扱い 移入規制種(佐賀県 環境の保全と創造に関する条例.県内での放逐禁止).鹿児島県奄美市・東京都八丈島では,条例により飼育ヤギの登録制・放し飼いの禁止などを定めている(奄美市山羊の放し飼い防止等に関する条例,八丈町飼養ヤギの野生化防止に関する条例).
防除方法 ノヤギと飼育ヤギを峻別するため,飼育個体の適正な管理(放し飼いにしないことなど)が必要.ノヤギ駆除の方法は,捕獲・射殺.高密度時には,誘導フェンスによる狭い地域への追い込み・くくりわなによる捕獲.低密度化したあとの残存個体探索法として,探索犬,発信機をつけた雌個体の追跡(ユダ・ゴート),不妊化した発情雌による雄誘引(マタ・ハリ・ゴート)など,様々な技術が確立している.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 フィジー,バハマ,ハイチ,ケイマン諸島,クック諸島,ドミニカ共和国,ジャマイカ,プエルトリコ,レユニオン,カナリア諸島など世界各地の島嶼
備考
世界の侵略的外来種ワースト100,日本の侵略的外来種ワースト100
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