記者発表 2008年2月8日

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国立環境研究所特別研究成果報告書(2件)の公表について(お知らせ)

(筑波研究学園都市記者会、 環境省記者クラブ同時配布)

平成20年2月8日(金)
独立行政法人国立環境研究所
  企画部長 :松井 佳巳 (029-850-2302)
  環境情報センター長 :山本 秀正 (029-850-2340)
  企画・広報室長 :佐藤 邦子 (029-850-2304)
  課題代表研究者(1) :野原 恵子 (029-850-2500)
  課題代表研究者(2) :今井 章雄 (029-850-2405)


概 要

国立環境研究所では、平成18年度に終了した特別研究2件について、その成果をとりまとめた報告書を刊行しましたので、お知らせします。

(1) トキシコゲノミクスを利用した環境汚染物質の健康・生物影響評価法の開発に関する研究 (研究期間:平成16〜18年度、研究代表者:野原 恵子)

環境汚染物質によるヒトへの健康影響及び植物・微生物・魚類に対する生物影響に関して、トキシコゲノミクスを活用した新たな影響評価法の開発研究を行い、多種多様な環境汚染物質の健康・生物影響評価の効率化や悪影響予防のための科学的データ提供について検討した。

(2) 有機物リンケージに基づいた湖沼環境の評価と改善シナリオ作成に関する研究 (研究期間:平成16〜18年度、研究代表者:今井 章雄)

湖水中に含まれる有機物の化学的組成特性から、その分解性や起源を評価する手法を開発・確立し、湖水や底泥中での溶存有機物(DOM)の特性と起源、生産、分解性及び微生物群集との連動関係を評価した。あわせて汚濁防止費用対策効果、発生源対策についても提言した。

1  研究の背景と目的

(1) トキシコゲノミクスを利用した環境汚染物質の健康・生物影響評価法の開発に関する研究

環境汚染物質の悪影響からヒトの健康や生物を守るためには、種々の汚染物質の毒性を迅速に評価し、悪影響を防ぐ対策を講じることが望まれる。しかし現在、影響評価が行われていない環境汚染物質は数千種類にものぼるといわれている。トキシコゲノミクスはヒトや生物の全遺伝子の反応を短時間に網羅的に検出することを可能とする技術であり、この技術を用いることによって健康・生物影響の高効率・網羅的評価が可能となることが期待される。本研究は、環境汚染物質のヒトを目標とした健康影響および植物・微生物・魚類に対する生物影響に関してトキシコゲノミクスを活用した新たな影響評価法の開発研究を行い、多種多様な環境汚染物質の健康・生物影響評価法の飛躍的効率化や悪影響予防のための科学的データの提供に資することを目的とした。

(2) 有機物リンケージに基づいた湖沼環境の評価と改善シナリオ作成に関する研究

琵琶湖北湖で初めて注目された難分解性と考えられる溶存有機物(DOM)濃度の漸増現象は、その後、十和田湖、野尻湖、霞ヶ浦、印旛沼と遍在的な広がりをみせている。難分解性DOM濃度の上昇は、湖沼微生物生態系や水道水源としての湖水の水質等に甚大な影響を及ぼすため、緊急に難分解性DOMの湖水中での蓄積メカニズムを明らかにする必要がある。

本研究では、湖水有機物の化学的組成特性から分解性や起源を評価する手法を開発・確立し、湖水や底泥中でのDOM特性と起源、生産と分解性、および微生物群集との連動関係を評価することを目的とした。さらに湖沼での難分解性DOMの動態、蓄積メカニズムおよび主要発生源をモデル解析により検討し、水質汚濁防止対策の費用対効果算定、発生源対策に係る具体的な提言を行った。

2  報告書の要旨(別添のとおり)

3  報告書の閲覧・入手についての問い合わせ先

● 国立環境研究所の刊行物は、以下で閲覧することができます。

○国立環境研究所図書室

○国立国会図書館

また、国立環境研究所ホームページ(URL:http://www.nies.go.jp/)において閲覧する ことができます。

※報告書本体の入手を希望される場合、頒布(送料本人負担)もしていますので、下記へお問い合わせ下さい。

但し、残部がある場合に限ります。
連絡先:環境情報センター情報企画室出版普及係
  (TEL: 029-850-2343、E-mail:pub@nies.go.jp)

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