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表 地球温暖化による部門別の影響及びその適応策(1/3)

部 門 想定される影響 適応策 適 応
可能性
備 考


陸上
生態系
高山地域、沿岸地域等における生物多様性の損失 景観管理、防災施設に生物にやさしい材料の利用 中〜低  
森林火災リスクの増加 土地管理、防火対策  
雑草の侵入 施肥管理、雑草管理 南方からの新種の雑草が侵入してくる可能性がある。
水生
生態系
沿岸淡水湿地での塩化作用 水門施設等による遮断  
河川及び内陸湿地における生態系の変化 水配分の変更 地球温暖化により、河川、湖沼等における魚の分布が変わる可能性がある。
富栄養化の進行 水配分の変更、栄養塩流入の削減 中〜低 地球温暖化により、湖沼等の水温が上昇し、湖沼中の生態系バランスに変化が起き、富栄養化が進行する可能性がある。
魚の繁殖の変化 監視、管理 特に、湖沼生態系に関するデータ・研究が少ない。
沿岸
生態系
サンゴの白化現象 サンゴの播種 沖縄近海で1998年の夏に台風がなく、海水温が下がらず、サンゴが白化しその多くが死滅した。
社会・経済 大気環境 都市等における大気環境の悪化 大気汚染警報システム、排気物質管理の新対策導入、水運交通の利用促進  
建築 住居、オフィスビルの冷房需要の増大 バルコニー、日除け、自然換気、冷却用地下水等のシステム導入 設計時に対応することで十分に対応可能。
運輸・インフラ 冬季における降雪量の減少 冬季の降雪対策の変更 中〜低 降雪量が減少する地域では対策を簡略化できる可能性がある。
エネルギー 気温上昇による夏季の冷房エネルギー需要の増大 電力需要を抑制する方策や情報提供(電力予報) 電力需要の抑制を意図した電力予報は2003年に導入された
金融 異常天候の発生による企業の収益減少、損失の発生 天候デリバティブを活用した異常天候のリスク回避 天候によって収益が左右される電気・ガス事業者等が、天候デリバティブ商品をすでに購入し、リスクヘッジツールとして活用。
保険 異常天候の発生による人的及び物的被害の発生 災害保険を活用した異常天候のリスク回避 世界の大規模災害による損失額は近年急増。
電子機器利用 局地気象の変化(雷等)による電子機器への影響 耐雷機器の製造、普及 中〜低 耐雷機器の基準等の設定など(製造時・利用時)

 【適応可能性】
  低:適応策の実現可能性が低く、適応策の実施による効果が低いもの。
  中:適応策の実現可能性、適応策の実施による効果が中程度のもの。
  高:適応策の実現可能性が高く、適応策の実施による効果が高いもの。

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