ノーマン・マイアーズ博士(英国)による
国立環境研究所訪問記念講演の御案内


国立環境研究所では、ノーマン・マイアーズ博士の来日に際し、 つくば研究学園都市における環境分野の研究者等との意見交換を 目的として、下記のとおり、講演会を開催することといたしました。 御関心のある方は、必要事項をご記入の上、下記までお申し込み下さい。 多数の御参加をお待ちしております。

なお、博士は、財団法人旭硝子財団の地球環境国際賞 「ブループラネット賞」(地球環境保全に関して科学技術面で著しい 貢献があった個人等に毎年贈られるもの)の本年度受賞者として、 今般、来日されたものです。

 

 

生物種の大量絶滅を先駆的に警告するなど、環境課題を常に提起してきた

ノーマン・マイアーズ博士
(英国)



>>開催時間が変更になりました。ご注意願います。

◆開催要領◆ 

日時 :2001年11月19日(火)  14:45 - 15:45 (変更前15:45 - 16:35) 

内容 :ノーマン・マイアーズ博士(英国)による講演及び質疑応答 (英語のみ:通訳なし)

場所 :国立環境研究所中会議室(つくば市小野川16-2 研究本館II棟内) →案内図 →交通案内

◆参加申し込み◆

FAX又はE-mailに、以下の内容(1)〜(4)を明記の上、ご送付下さい。
締め切りは11月16日(金)必着とさせていただき、多数応募の場合、先着順とさせていただきます。

(1)住所・電話 (2)氏名 (3)職業(勤務先) (4)連絡先(FAX又はE-mailアドレス)

送付先: FAX番号: 0298-51-2854   E-mail: hirokane@nies.go.jp

連絡先: 独立行政法人国立環境研究所国際室(広兼または岡田) 電話0298-50-2308 


(参考)

講演者の御紹介(旭硝子財団地球環境賞ホームページより抜粋)

 博士は、オックスフォード大学を1958年に卒業後、12年間をアフリカで野生生物の研究に費やし、1973年に米国で博士号を取得しました。その後現在まで、オックスフォード大学をはじめ、米国ハーバード大学等多くの大学の客員教授として教鞭を取ると共に、多くの政府、国際機関や学会などの顧問を務めてきました。

 種の絶滅速度は、1970年代の初めに年間当り1種程度と公式には考えられていましたが、博士は1日当り1種になると算定しました。1980年代末に、博士は詳細な研究結果と、一層激しくなった熱帯雨林の消滅速度を勘案して、種の消滅速度は1日当り50種に上ると算定しました。一方、博士は人類出現前の自然状態の種の絶滅速度は3〜5年に1種としています。これらの内容が発表された当時、激しく批判されましたが、やがて科学者の多くが博士の説を受け入れるようになりました。1990年代末には、現在の生物学的な危機は、進化の重要な"動力源"をも破壊するであろうと論証しました。この"動力源"とは熱帯雨林や湿地帯であり、この地帯は 先史時代における大量絶滅後に種を新しく産み出す主要な源でした。さらに、この危機は進化の他の基本プロセスを消滅させるであろうし、我々が直ちに精力的な行動をとらなければ、未来の数百万年にわたって惨めな地球を残すことになるであろうと述べています。

 1970年代の終り近く、博士は熱帯雨林が毎年約7万5千平方kmの大きな速度で破壊されており、破壊速度は10年のうちにさらに2倍になると予測しました。これらの新しい指摘もやはり多くの批判を受けましたが、最新の衛星によるリモートセンシング画像の解析により、これが正しいことが証明されました。1980年代の始め、熱帯雨林破壊の一例として、北米のハンバーガー用の安価な牛肉のために、中米の熱帯雨林が牧場に変えられていく過程を「ハンバーガーコネクション」として最初に取上げ、環境破壊の国際的な繋がりを明らかにしました。熱帯雨林が地域および全世界の気候に与える影響についても言及しました。

 1980年代始め、博士は、制癌剤などの医薬、品種改良のための生物資源、植物成分から作る病害虫防除のための農薬、さらに油脂、ゴム、樹脂、ラテックス等の工業製品など、多岐にわたる品々の出発原料としての種とその遺伝的資源の潜在的な商業価値について著作を著しました。
 1980年代末に、博士は危機にさらされている種を保全するには、その土地固有の種が極めて集中しており、かつ多くの種が絶滅の危険にさらされている地域−"ホットスポット"−において保全活動を集中的に行うのが効果的であることを提案しました。1990年代後半に博士とその共同研究者は、全ての種の3分の1以上が陸地面積の1.4%に過ぎない25個所の"ホットスポット"の中に生存していることを計算で示しました。この手法は生物種の保全活動のための指針として環境保全組織によって採用され、今日までに、5.5億ドルが支出され、これまでの単一の保全戦略としては最大の金額です。

 博士は、自然科学と社会科学の両方に造詣が深く、過剰人口による圧力、途上国の貧困問題、過剰消費、持続不可能な農業、気候変動、環境安全保障などの大変広い地球環境問題について、解決してゆく考え方を提案し成果を上げています。例えば2001年に著した著作では、経済と環境の双方に悪い影響を与える「国が拠出する誤った補助金」について優れた分析をおこないました。さらに博士は、独創的な研究が高く評価されて、国連、世界銀行、ホワイトハウス、10以上の国の科学アカデミーおよび多くの日本企業などの上級顧問を務めてきました。そして、世界の指導的政治家、政策立案者および企業トップに、環境保全と経済活動との多くの繋がりを認識させています。
 博士は、250篇以上の専門論文に加え、一般向けにも300篇もの多くの論説を発表し、さらに17冊の著書を刊行し、著書の発行部数は100 万部を越えています。
 環境保全のためになすべきことを世界的な政策にまとめて提言すると共に、新しい多くの問題を取り上げてきた博士の業績は、我々の地球と世界が持続可能な未来へと進むのに大きく貢献しています。

 なお、博士は、財団法人旭硝子財団の地球環境国際賞「ブループラネット賞」(地球環境保全に関して科学技術面で著しい貢献があった個人等に毎年贈られるもの)の本年度受賞者として、今般、来日されるものです。

ブループラネット賞とは→http://www.af-info.or.jp/jpn/honor/honor.html

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