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要 旨 国立環境研究所では、このほど以下の5編の報告書をとりまとめたので公表する。(1)超低周波電磁界による健康リスクの評価に関する研究 (2)湖沼において増大する難分解性有機物の発生原因と影響評価に関する研究 (3)環境中の「ホルモン様化学物質」の生殖・発生影響に関する研究 (4)富栄養湖沼群の生物群集の変化と生態系管理に関する研究 (5)大気有害化学物質監視用自動連続多成分同時計測センサー技術の開発に関する研究 これら5課題のうち、(1)〜(3)は国立環境研究所の特別研究として平成9〜11年度に、(4)は国立環境研究所の開発途上国環境技術共同研究として平成7〜11年度に、(5)は革新的環境監視計測技術先導研究として平成9〜11年度に実施した。 課題(1)では、超低周波電磁界について、日常の生活で実際に経験しうる曝露レベルの範囲内でのヒトへの曝露実験、電磁界に対して感受性を持つとされているヒト由来細胞を用いた曝露実験及び一般集団における曝露レベルに関する調査研究を行った。 課題(2)では、湖沼の生態系に大きな影響を及ぼしていると推察されている難分解性有機物について、霞ヶ浦を対象として湖水中に蓄積する同物質の発生原因の解明、湖水中で増大する同物質が湖沼生態系や水道水源としての湖沼水質に及ぼす影響の評価を行った。 課題(3)では、ホルモン様化学物質としてダイオキシン(TCDD)をとりあげ、ラットを用いた生殖・発生影響に関する実験的研究、TCDDの作用の機作に関する研究、ヒト生殖器官由来の細胞を用いたTCDDのスクリーニング手法の検討、子宮内膜症患者の脂肪組織中ダイオキシン濃度の測定によるダイオキシンの曝露とそれによる健康影響との関連に関する研究を行った。 課題(4)では、著しい生物資源の劣化や富栄養化によるアオコの大発生が生じている中国揚子江流域湖沼の生物資源の劣化の現状とその原因に関する文献調査、今後生物相が大きく変化することが予想される洞庭(トンティン)湖の水質及び生物調査、大都市近郊に位置する東湖の長期的な生物データの整理による人為的変化による生態系の変化とその要因についての検討、ハクレンによるバイオマニピュレーションの有効性に関する研究を行った。 課題(5)では、なるべく多数の有害大気汚染物質を自動連続モニタリングする技術・装置を開発すること目的に、揮発性有機物及び一部非揮発性有機物を対象としたキャニスター捕集/GC/MS法による自動連続多成分モニタリングシステムの開発を行い、さらに、市販混合標準ガスに含まれない物質についても手分析法による測定を検討した。また、重要なモニタリング物質であるアルデヒド類の自動前処理GCによる自動モニタリング法の開発を行った。 |
1 公表する報告書の名称及び担当 (1)超低周波電磁界による健康リスクの評価に関する研究
(担当:PM2.5・DEP研究プロジェクト 疫学・曝露評価研究チーム 新田 裕史)
(2)湖沼において増大する難分解性有機物の発生原因と影響評価に関する研究
(担当:水土壌圏環境研究領域 湖沼環境研究室 今井 章雄)
(3)環境中の「ホルモン様化学物質」の生殖・発生影響に関する研究
(担当:環境ホルモン・ダイオキシン研究プロジェクト 健康影響研究チーム 米元 純三)
(4)富栄養湖沼群の生物群集の変化と生態系管理に関する研究
(担当:生物多様性研究プロジェクト 多様性機能研究チーム 高村 典子)
(5)大気有害化学物質監視用自動連続多成分同時計測センサー技術の開発に関する研究
(担当:化学環境研究領域 計測管理研究室 田辺 潔)
2 報告書の要旨(別添のとおり) 3 閲覧・入手についての問い合わせ先 ● 国立環境研究所の刊行物は、以下で閲覧することができます。
・国立環境研究所図書室(複写サービスはありません)
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また、国立環境研究所ホームページで、閲覧することができます。(刊行物はPDFファイルで公開)
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