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被災地域における環境影響評価及び管理研究(令和 5年度)
Research of environmental impacts and management in the disaster areas of Fukushima

研究課題コード
2125AA121
開始/終了年度
2021~2025年

研究概要

福島第一原発事故から10年経過したが、一部では住民避難が続いており、避難指示が解除された地域においても住民帰還が遅れている。この一因として様々な場面で震災前からの生活が放射性物質によって阻害されていることが挙げられる。本プロジェクトでは避難指示区域内外を対象に3つのサブテーマにて研究を行う。サブテーマ1では山菜やキノコの採取活動と摂取に伴う被ばくリスク評価と低減手法の開発を行う。2023年までに山菜やキノコの自家消費活動を通した被ばくの低減手法の設定を達成し、2025年終了時に里地里山における内外部被ばく線量評価と、低減手法の効果の提示を達成する。サブテーマ2では淡水環境における生物利用性放射性セシウムの生態系移行と除染シナリオを想定した生態系サービスへの影響評価を行う。2023年までに、放射性セシウムによる淡水魚汚染リスク低減のための山林及びダム湖除染シナリオの設定2025年終了時に除染シナリオに対する淡水魚の出荷再開を含む費用便益評価を達成する。サブテーマ3では及び生態系モニタリングに基づき予測した里地里山環境における人と野生生物との関係性の変化による影響評価を行う。2023年までに里地里山の生態系サービス管理指標生物を用いた地域の管理効果指標・予測モデルの提案、市民との協力によるオンラインモニタリング支援ツールの開発、環境試料から感染性ウイルスを検出する方法の開発、2025年終了時には生態系サービス管理効果指標・予測モデルの確立と一般化避難指示区域内における感染性ウイルスの分布状況を提示する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

サブテーマ1:里地里山(モデル地域)での山菜やキノコ類などの震災前後における消費傾向変化の把握と被ばく線量評価と山菜やきのこ類におけるセシウムの動態解明と低減手法の開発を行う。
サブテーマ2:水環境中における放射性セシウムの淡水生態系への移行経路の解明、ダム湖における生物利用性放射性セシウム動態モデルの構築と将来予測及び淡水環境における除染シナリオによる生態系サービスを含むコストベネフィット分析を行う。
サブテーマ3:避難指示等への反応から、生態系管理指標となる生物種群を抽出し、避難指示区域内とその周辺地域の指標生物群の動態モデルの精緻化を行う。また、イノシシ密度に基づく、豚熱ウイルスの環境RNAサンプリングを実施し、環境RNAによってイノシシのぬた場から豚熱ウイルスを検出できることを実証する。

今年度の研究概要

サブテーマ1:昨年度に引き続きモデル地域(飯舘村)のコシアブラを対象に、即効性の高い放射性物質の蓄積の低減手法の同定を進める。また、山菜の摂取量の把握のための食物摂取頻度質問票の食事記録法による実測値との比較を行い質問票の妥当性を評価し、摂取頻度質問票を完成させる。
サブテーマ2:淡水生態系への放射性物質移行解明のため、ヤマメ及びウグイを対象として本種の胃内容物を環境DNA解析を行うことにより同定し、食性による放射性物質蓄積への影響評価を行う。また、ダム湖の放射性Cs動態を再現する数値計算モデルを構築・改良し、森林・ダム湖の除染に関するシナリオを複数適用し、各シナリオに応じたダム放流水の放射性Cs負荷を予測するとともに、対策導入に必要な経費の評価を行う。
サブテーマ3:避難指示等への反応から、生態系管理指標となる生物種群を抽出し、避難指示区域内とその周辺地域の指標生物群の動態モデルの精緻化を行う。また、イノシシ密度に基づく、豚熱ウイルスの環境RNAサンプリングを実施し、環境RNAによってイノシシのぬた場から豚熱ウイルスを検出できることを実証する。

外部との連携

福島大学、日本原子力研究開発機構、福島県、日本野鳥の会、バードリサーチ

課題代表者

玉置 雅紀

  • 生物多様性領域
    環境ストレス機構研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(農学)
  • 生物学,農学,生物工学
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担当者