ユーザー別ナビ |

  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

災害環境マネジメント研究プログラム(PG3)の成果

福島支部のホームページは、リニューアルのため、2017年4月10日よりURLを変更いたしました。お気に入りやブックマークなどに登録されている方は、お手数ですが下記の新アドレス(URL)への設定変更をお願いいたします。

1.災害廃棄物への対応

 国の集計(平成25年5月末現在)によると、災害廃棄物の推計量は東北3県(岩手・宮城・福島)の沿岸37市町村合計で約1,600万トンで、この数値は、全国で1年間に発生する一般廃棄物量の約4割弱に相当します。その多くは津波により海水を被り、また、津波堆積物(海底から打ち上げられた土砂や泥等)も3県で約1,000万トンあると推計されています。
 国環研は、資源循環・廃棄物分野における廃棄物の適正処理やリサイクルの問題など多様な課題に総合的に取り組んできました。今般の災害廃棄物の問題にも、これまで培ってきた豊富な知見や専門性、専門家のネットワークを最大限活用し、環境省等とも連携して、被災地における災害廃棄物の適切な処理処分の推進に貢献してきました。

◆現在進行中の活動も含めた、大震災から2年間の研究を以下にまとめていますのでご覧下さい(平成25年7月)。

◆「国立環境研究所 東日本大震災後の災害環境研究と成果」(平成25年3月)の以下の箇所にも活動概要と成果事例が記載されていますので、こちらもご覧下さい。

(1) 震災対応ネットワークによる経験知の集約と被災地への発信(震災直後~平成23年)

 地震や津波により発生した大量かつ多種多様な災害廃棄物は、震災が発生し日が経つにつれて様々な技術的課題が出てきました。しかし、被災地の現場では基礎情報や知見・データ等が絶対的に不足し、自治体等関係者及び環境省がその対応に苦慮していました。
 そこで、震災1週間後に専門家等で構成する「震災対応ネットワーク」を立ち上げ、現場で生じる様々な技術的課題に応じて情報・知見を集約・整理し、平成23年を中心に、塩分を含んだ廃棄物の処理方法、津波堆積物への対応、仮置場の可燃性廃棄物の火災予防等に関する各種技術情報(下記参照)を作成・提供し、環境省や被災地自治体等による現地対応を支援しました。

(2) 現場重視の緊急調査研究による新たな知見の集積と現場への還元(平成23年度)

 被災地での災害廃棄物の実態が徐々に明らかになるにつれて、それまでの知見ではカバーできない技術的課題への対応が必要となりました。
 そこで、震災発生約3週間後の平成23年4月初め頃から、関係学会等とも連携しつつ現地調査を開始し、平成23年度を中心に、海水被り瓦礫や津波堆積物の適正処理、仮置場火災防止等に関する緊急的調査研究を実施し、環境省通知等に適宜反映されました。さらに、環境省が編成する巡回チーム等に研究者を派遣し、災害廃棄物仮置場火災予防など個別課題への現地調査・技術的助言を精力的に実施しました。

(3) 現在進行中の調査研究活動と今後の展開(平成24年度~)

 災害廃棄物については、平成25年度中の処理完了に向けて、関係自治体や国等の取組により順次処理が進められましたが、今後は、災害廃棄物処理残渣や全国各地の建設系産業系副産物の復興資材としての再利用の検討が重要になってくると考えられます。
 また、今後、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震などによる大規模災害の発生も懸念されており、東日本大震災の教訓を十分踏まえた上で、将来の大規模災害に備えた対策を講じる必要があります。
 これらの課題に対応するため、国環研では現在、東日本大震災への貢献とともに今後の災害に対する備えへの貢献を果たすため、災害時における生活排水の分散型(浄化槽)処理システム、災害廃棄物の量的質的推計・管理システム、災害廃棄物の中間処理技術・システム、災害廃棄物・建設産業系副産物の復興資材への利活用技術、災害廃棄物処理に関する制度・計画・マネジメントなどの調査研究を鋭意実施しております。

2.地震・津波災害に起因する様々な環境変化とその影響の調査・予測

 国立環境研究所の持つ研究ネットワークを活用して、宮城県など被災地の環境研究所等と協力し、「避難所等における大気浮遊粉じん濃度の調査」など、震災により生じた環境、生態系の変化や有害物質による汚染状況等についての様々な調査・研究を行っています。また、全国の自治体の環境研究所と協力して「災害と環境」をテーマとする交流シンポジウムを開催しました。2012年5月には福島県において「環境放射能除染学会」と共催で「復旧・復興ワークショップ」を開催しました。さらに、国立環境研究所の立地するつくば市内の放射線観測についても関係研究機関、自治体と協力しながら実施しています。

写真
宮城県石巻市内避難所付近に大気採取サンプラーを設置して調査(2011年6月~)
写真
全国環境研究所交流シンポジウム「災害と環境」を開催(2012年2月、つくば市国立環境研究所)

 この他にも、例えば下記のようなテーマの研究が進められており、その成果が2012年の公開シンポジウムでポスター発表されていますのでご参照下さい。