環境研災害研究Q&A_X4
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A環境回復研究❶:廃棄物の処理処分技術・システムQ05解説大量にある汚染廃棄物の放射能を短時間に測定することは可能なのでしょうか?現在、複数の企業で測定装置の開発が進められています。その一つを対象に現場で実証試験を行った結果、数分間で測定可能であることが分かりました。放射性物質に汚染された廃棄物を安全・安心に処理するためには、放射能濃度や放射線量を正確に分析・把握し、そのレベルに応じて適切な対応をとることが重要です。しかし、廃棄物関連試料の放射能分析に関する知見は十分でなく、調査計画や試料採取方法、分析精度管理など多くの課題があります。その一つに、災害廃棄物や除染土壌などの大容量試料の放射能濃度を短時間でスクリーニングできる測定技術の開発があげられます。現在、複数の企業によって測定装置の開発が進められていますが、その性能を現場で確かめることが重要な課題となっていました。そこで、1㎥容量のフレコンバッグに充填した試料の放射能濃度を測定できる「フレコンバッグ放射能測定装置」(写真1)の実証試験を開発企業と共同で実施しました。廃棄物を詰めたフレコンバッグの放射能濃度を同装置で測定した後、内容物から7~9か所の試料を採取して個々に放射能濃度を測定し、その平均値をフレコンバッグの放射能濃度としました(従来法)。同装置では、300~20,000 Bq/kgの濃度範囲の試料が数分間で測定可能であり、測定濃度は従来法とほぼ一致しました。写真1 フレコンバッグ放射能測定装置図1 フレコンバッグの測定結果05,00010,00015,00020,00025,00030,000A-1A-2A-3A-4A-5A-6A-7A-8A-9A-10A-11A-12A-15B-1B-2B-3B-4B-5B-6B-7B-8B-9B-10放射性セシウム濃度(Bq/kg)フレコン測定装置NaI(Tl)検出器LaBr3(Ce)検出器10

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