● 環境税のねらいと長所(じょうやく) |
環境税(かんきょうぜい)の長所の一つは、汚染物質(おせんぶっしつ)をより多く排出(はいしゅつ)する製品に対する課税額(かぜいがく)を、そうでない製品(せいひん)に対する課税額より重くすることにより、汚染物質の排出量の少ない製品を選ぶことを促進(そくしん)することにあります。
二酸化炭素(にさんかたんそ)排出量に応じて課税すると、化石燃料(かせきねんりょう)の価格は上昇(じょうしょう)しますが、風力エネルギーや太陽エネルギーなどの自然エネルギーには課税されません。
このため、相対的(そうたいてき)に自然エネルギーを選択することのメリットが大きくなり、これらのエネルギーの普及(ふきゅう)を促進する効果(こうか)をもつことになります。 環境税は、環境を汚染することによって社会にもたらす被害(ひがい)の費用を、汚染者に負担(ふたん)してもらうことにより、汚染者に汚染物質の排出量を減(へ)らす動機(どうき)付けをあたえることにあります。 人々の良心に、節電や自然エネルギーの利用をうったえかけることも重要ですが、それだとモラルの高い人、環境に対する意識(いしき)の高い人の行動を変えることはできても、そうでない人の行動をなかなか変えることができません。 しかし、環境税だと、モラルの低い人、意識(いしき)の低い人、自己中心的な人であっても、汚染物質の排出量を減らすようになるでしょう。 汚染物質を排出すると、税金を負担しなければならなくなり、自分の利益(りえき)が減少(げんしょう)するからです。環境税のねらいはそこにあります。 |