ホーム > 研究紹介 > 研究計画・研究評価 > 外部研究評価 > 平成20年外部研究評価実施報告 > 循環型社会研究プログラム中核研究プロジェクトの中間評価2

ここからページ本文です

VI-2 循環型社会研究プログラム中核研究プロジェクトの中間評価
2.資源性・有害性をもつ物質の循環管理方策の立案と評価(平成18年度〜22年度)

1)研究の概要

資源性・有害性物質の利用・廃棄・循環過程におけるフローや各プロセスでの挙動、環境への排出、リスクの発生、資源価値を同定・定量化するとともに、代替物利用やリサイクルなどの効果を資源性・有害性の面から評価し、それら物質の管理原則について提示する。また、廃棄物処理・リサイクル過程での具体的な物質管理方策として、再生品需要を促進するために合理的な環境安全品質の管理手法を確立するとともに、資源回収・適正処理の高度化を支援するために資源性・有害性のトレーサビリティの確保方策の提示とその効果を実証する。

2)外部研究評価委員会による中間評価の平均評点

4.1  点

3)外部研究評価委員会の見解

[現状評価]
本プロジェクトは、“プラスチックリサイクル・廃棄過程における化学物質管理方策の検討”、“資源性・有害性を有する金属類のリサイクル・廃棄過程での管理方策の検討”、“再生製品の環境安全品質管理手法の確立”の3つのサブテーマで構成される。プラスチック、金属類に関し、製品のライフサイクルを通じた有害性・資源性評価のための詳細調査、解析を実施し、高く評価できる。本研究で進めている、社会に効用が期待されて流通する製品のライフサイクル、および製品中の化学物質の流通と使用停止後のリスクと残余価値を評価する試みは意義がある。一方で、研究が多岐にわたっているため、研究対象が製品中の化学物質かあるいは製品そのものなのかが不明確である。

[今後への期待、要望]
今後、一般的な方法論を提示して、他機関との共同/分担研究を進めながら、研究成果を生産者、消費者を問わず広範な情報提供を行い、施策、標準化などの具体策への反映を期待する。また、プロジェクトの最終目標である「製品ライフサイクルを通じた化学リスク低減に向けた管理方策の基本モデルの提示」を達成すべく、暴露経路を考慮したトータルリスク評価や、製品製造セクターとの連携強化など今後注力すべき所を吟味してプロジェクトを推進して欲しい。

4)対処方針

循環廃棄過程をはじめとする製品のライフサイクルにおいて高リスク(ケミカルリスク)が生じることのないように適切な物質管理・制御方策を提示し、上流側の情報管理や情報開示等を促し、今後の法・政策体系の改正に反映できるようまとめていきたい。ヨハネスブルグサミット(2002)の2020年目標に対する国内対応をはじめ、REACH規制、RoHS規制などに対応したPRTR法や化学物質審査規制法の改正、各種リサイクル法の見直しといった政府の検討に資するべく、本プロジェクトの成果・知見を反映させることを基本と考えている。

プラスチック、金属等を対象とする個別研究(ケーススタディ)を進めることにより、物質管理方策の基本モデル構築を試みるが、具体的には、製品としてテレビやパソコンのライフサイクルに焦点を絞り、化学物質としては、プラスチック添加剤である難燃剤等を中心としてフィールド調査やフロー分析、リスク評価を実施しているところである。それを基にして、より一般化した包括的物質管理の基本モデルを模索、構築していく予定である。リスク物質、リスクの種類、暴露集団、暴露場とそのレベル等について研究マトリクスを網羅しつつ、所内他ユニットや他機関との共同研究を推進していくことにしている。また、一般市民から産業界に至るまで社会への情報発信は重要と受け止めており、研究成果の社会還元を適切な形で確実に進めていきたい。

Adobe Readerのダウンロードページへ PDFの閲覧にはAdobe Readerが必要です。Adobe社のサイトからダウンロードしてください。