環境中の有害物質による健康影響のリスク評価は、従来、主にヒトに関する知見をもとに実施されてきました。わが国では、中央環境審議会「第2次答申」(平成8年10月)において、優先的に取り組むべき22の有害大気汚染物質が選定され、これまでに、ベンゼン等5物質の環境基準及びアクリロニトリル等7物質の指針値が設定されてきています。これらの物質の多くはヒトに関する知見に基づき評価が行われてきましたが、最近、動物実験の知見から2物質の指針値が設定されました。今後、ヒトに関する知見が十分でない物質に関する目標値の設定が必要となることが予想され、このような物質の動物実験による知見を用いたリスク評価がますます重要になってきます。
現在、国立環境研究所環境リスク研究センターでは環境省の委託を受け、動物実験の知見を用いた環境目標値設定のガイドラインとなるべき考え方を示すことなどを主な目標として、リスク評価値算定方法の調査検討を行っております。
本ワークショップでは、わが国における従来の疫学の知見に基づく環境基準及び指針値設定の考え方と手法を総覧した上で、動物実験の知見を用いた環境目標値設定に関する国際的動向をご紹介し、わが国に相応しいリスク評価と目標値設定のあり方についてリスク評価の研究者にご議論いただく機会としたく思います。皆様の参加をお持ちしております。
環境リスク評価ワークショップ 「有害大気汚染物質の環境基準・指針値設定ガイドライン策定に向けて」
日 時 | 平成22年3月31日(水) 13:30−16:00 (受付開始 13:15) |
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会 場 | 航空会館 201会議室 所在地:東京都港区新橋1−18−1 アクセスURL: http://www.kokukaikan.com/tizu.htm |
主 催 | 独立行政法人国立環境研究所環境リスク研究センター |
後 援 | (社)大気環境学会 健康影響分科会、日本リスク研究学会 |
プログラム | 13:30−15:00
1. 従来の有害大気汚染物質の環境基準・指針値設定の考え方と今後必要な調査研究
2. 大気環境基準・指針値設定に資する疫学的知見
3. 実験的知見に基づいた大気環境目標値の設定−わが国の状況と国際的動向 |
参加費 | 無料
【参加申込・お問い合わせ】 |
問い合わせ先
(独)国立環境研究所 環境リスク研究センター
健康リスク評価研究室 青木 康展 E-mail: hlthrisk@nies.go.jp