(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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チャコウラナメクジ

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基本情報
和名 チャコウラナメクジ

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チャコウラナメクジ
分類群 軟体動物門 腹足綱 柄眼目 コウラナメクジ科
(Limacidae, Stylommatophora, Gastropoda, Mollusca)
学名 Lehmannia valentiana
英名等 Threeband gardenslug, greenhouse slug
自然分布 イベリア半島
形態 成体の体長5~7cm程度の中型のナメクジ.体の前方背面が甲羅状になる.全体の地色は淡褐色で,甲羅部~尾部背面に,灰黒色の2本の縦筋模様を持つ.後半部の縦筋模様のはっきりしない個体もいる.生殖器の陰茎に突起を持つ.
生息環境 人家周辺,草地,農地など
温度選好性:温度耐性は季節(日長)に応じて変化する.
繁殖生態 黄色の透明で長卵形のゼリー様の卵を一回に20~60個程度,石の下などに産む.野外では,1年で成熟・死亡する.
繁殖期:冬~春
生態的特性 多湿な環境を好む.日没~明け方に活動し,昼間は石の下などに潜む.通年活動するが,梅雨に多数出現,夏~秋にかけて減少.
食性:野菜・柑橘・朽木など様々な植物を摂食.ハマキガ類の卵塊を捕食
侵入情報
国内移入分布 本州・四国・九州と周辺島嶼 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元
侵入経路 米軍の物資輸送にまぎれて非意図的に持ち込まれたと考えられている.国内では,植物・栽培床などに混入して分散していると考えられる.
侵入年代 はっきりわかっていないが,1950年代後半と考えられている.
影響 農業害虫.特に家庭菜園・鉢植えでの被害が大きい.
影響を受ける生物:農産物,園芸植物など
法的扱い コウラナメクジ科は検疫有害動物(植物防疫法)
防除方法 輸入農産物に対する検疫で多数のナメクジが発見・除去される.定着しているものに対しては,メタアルデヒド剤・ボルドー液などを誘引剤とするトラップが使われる.ナメクジ用の駆除剤も市販されている.
問題点等
海外移入分布 汎世界的
備考
日本の侵略的外来種ワースト100

本州~九州には,欧州原産の外来種コウラナメクジ Limax flavus が明治初期から定着しており,1960年代まで普通だった.戦後チャコウラナメクジおよびニヨリチャコウラナメクジ Lehmannia nyctelia が侵入し,コウラナメクジと置き換わりながら分布を広げた.
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