(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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チチュウカイミドリガニ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 チチュウカイミドリガニ (写真なし)
分類群 節足動物門 甲殻綱 十脚目 ワタリガニ科
(Portunidae, Decapoda, Malacostraca, Arthropoda)
学名 Carcinus aestuarii
英名等 Mediterranean green crab
自然分布 地中海.カナリア諸島.
形態 緑灰色-緑褐色のカニ.甲幅は雄4cm,雌7cm程度.甲の前側縁に5歯が明瞭.額域に3つの突起.雄交接器がまっすぐ(ヨーロッパミドリガニは曲る).
生息環境 河口近く-内湾の岩礁,潟,塩性湿地.繁殖期には沖合いへ移動.
繁殖生態 繁殖期:秋-春.東京湾では11月-5月に抱卵雌が見られる.
交尾前に雄が雌をガードし,雌の脱皮直後に交尾.浮遊幼生は冬-春に出現.雌一個体の抱卵数は185000個程度.
生態的特性 水質汚濁,幅広い塩分に耐性がある.
食性:貝類,多毛類,小型甲殻類などを捕食.
侵入情報
国内移入分布 東京湾(千葉県富津市,神奈川県横浜市,東京都港区),大阪湾(大阪府大阪市・堺市・岸和田市・阪南市,兵庫県神戸市・芦屋市・西宮市),伊勢湾(愛知県名古屋市・知多市),浜名湖(静岡県),洞海湾(福岡県北九州市) 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 不明
侵入経路 バラスト水への混入と推測されているが,シーチェスト(船体の海水吸入口)への付着の可能性も指摘されている(同属のヨーロッパミドリガニがシーチェストに入って生存していた例がある).
侵入年代 初記録は1984年の千葉県富津市の海岸.1990年代に大阪湾と洞海湾,2000年以降に浜名湖・伊勢湾・瀬戸内海で記録.
影響 在来貝類への捕食圧,カニ類との競合.
影響を受ける在来生物:在来の貝類,カニ類
法的扱い 条例公表種(愛知県 自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例,愛知県における野外放逐の禁止)(平成24年3月29日~)
防除方法 幼生が分散しにくい内湾では,バラスト水の処理などで防除できる可能性がある.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 なし
備考
要注意外来生物(外来生物法).日本の侵略的外来種ワースト100 指定.

国内定着個体群の形態形質から,同属種のヨーロッパミドリガニ C. maenus との雑種の可能性も指摘されている.

本種は,1995~1999年に東京湾で大発生した.また,2010年にも東京湾奥部での個体数増加が報告されている.
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