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ウチダザリガニ(ザリガニ科)

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ウチダザリガニ(ザリガニ科)

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ウチダザリガニ
分類群 節足動物門 甲殻綱 十脚目 ザリガニ科
(Astacidae, Decapoda, Malacostraca, Arthropoda)
学名 Pacifastacus leniusculus
主なシノニム Pacifastacus trowbridgii
英名等 Signal crayfish
自然分布 北米大陸のカナダ南西部(ブリティッシュコロンビア州)-アメリカ北西部(カリフォルニア州北部,オレゴン州,ワシントン州,アイダホ州)
形態 最大体長150mmになる淡水性ザリガニ.主に暗緑色でハサミの付け根に青白色の大きな斑点がある.
生息環境 冷水性の河川や湖沼に生息.原産地コロンビア川では汽水域にも生息が確認されている.
高温耐性:32℃-33℃まで生存可能であることが実験的に確認されている.本来冷水域に適応した種とされるが日本国内の比較的高温の水域においても本種は定着可能と推定される.
繁殖生態 繁殖期:10月頃交尾
雌雄異体.10月頃,日周期の変化が引き金となって交尾を開始する.メスは抱卵後越冬し,翌春から初夏にかけて稚ザリガニを放す.産仔数:120-201粒(最大548粒)
生態的特性 非常に攻撃的で頻繁に共食いする.夏期は日中でも行動することが多いが,通常は夜間に行動が活発になる.塩水への耐性がある.
食性:雑食性.水生生物の捕食能力が高い.
侵入情報
国内移入分布 北海道(摩周湖,阿寒湖,支笏湖,釧路川,阿寒川等の道東各地の水系,天塩川水系),福島県(小野川湖,桧原湖,秋元湖),滋賀県(淡海池),長野県,千葉県栄町(利根川水系), 栃木県. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
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移入元 オレゴン州ポートランドより各地へ移植.
侵入経路 農水省により,優良水族移植(食用)としてアメリカ北西部のコロンビア川流域から日本に持ち込まれた.北海道東部の摩周湖で養殖が成功し,その後分布を広げた.
侵入年代 1926-1930年頃 (計5回).千葉県では2009年9月に初確認.
影響 在来水生生物の捕食,隠れ家をめぐる競争,ミズカビ病(ザリガニペスト)の媒介,水生植物の切断,大きな巣穴を掘ることによる河岸侵食・土手の決壊等.
影響を受ける在来生物:ニホンザリガニ,モクズガニ,マルタニシ等巻貝類,両生類,底棲魚類(卵を含む)といった在来水生生物,水生植物,マリモ等.
法的扱い 2006年2月,特定外来生物に二次指定された.日本の侵略的外来種ワースト100.
防除方法 カゴ罠(ドウ,カニカゴ):一般的に用いられる駆除法だが,大型個体に捕獲が偏る.カゴ罠に用いる餌は生魚が効果的.欧州では性フェロモンを用いた誘引トラップの開発が進められている.素手による捕獲(個体サイズが偏らない).世界的に本種の駆除に成功した例はない.
問題点等
海外移入分布 ヨーロッパ等
備考
北海道に定着したものはウチダザリガニ,滋賀県の個体群はタンカイザリガニと和名がつけられ,在来種と誤解される場合がある.滋賀県の淡海池に棲むタンカイザリガニはウチダザリガニとは別種であるとして保護している例がある.

令和6(2024)年度 環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市区町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/moe2024_0927.xlsx
※都道府県単位の分布地図(本ページ掲載に)は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市区町村単位の分布地図(詳細マップ)は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある.
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