(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ホソオチョウ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ホソオチョウ, ホソオアゲハ

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ホソオチョウ
分類群 チョウ目 アゲハチョウ上科 アゲハチョウ科
(Papilionidae, Papilionoidea, Lepidoptera)
学名 Sericinus montela subspp.
英名等 Sericin swallow-tail butterfly
自然分布 大陸中国,朝鮮半島,ロシア南東部
形態 後翅後端に長い尾状突起を持つチョウ.ギフチョウの仲間.多化性で,形態に春型と夏型がある.春型は小型(前翅長26~28mm),全体に白い翅色.夏型は大型(前翅長36~38mm),翅色は黒と黄色のまだら模様.いずれも,後翅肛角に赤・淡青の斑紋がある.雄は大型で,尾状突起が長く,全体に白っぽい.
日本に定着しているのは,韓国亜種 S. m. koreanus と考えられている.
生息環境 食草(ウマノスズクサ)のある日当たりのよい場所.比較的寒冷な地とされるが,都市近郊の一級河川沿いで見られる.
温度選好性:蛹で越冬する
繁殖生態 繁殖期:5月~9月
成虫は,日本では五月上旬から,3~4回発生する.
交尾後1時間程度で産卵.一度に20~40卵,合計300卵程度,食草に産卵.7~10日で孵化し,幼虫は食草上で5齢まで成長.食草から一度下りて,硬い葉の裏や朽木・枝などについて蛹化.孵化~羽化まで,春で30~40日,夏で3週間程度.8月中旬~9月ごろに蛹化した場合,蛹の状態で越冬する.
生態的特性 昼行性,晴れた日の10時~12時頃に最も活動的.飛翔はゆるやかで,地表1m以内を飛ぶことが多い.曇りの日はほとんど飛ばない.
ジャコウアゲハの生育する場所では,ホソオチョウの個体数の方が卓越する場合が報告されている.
食性:日本ではウマノスズクサ,大陸ではマルバウマノスズクサを摂食.オオバウマノスズクサは食べない.
侵入情報
国内移入分布 関東・近畿の各都府県,静岡,岐阜,岡山,山口,福岡の各県 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 韓国と考えられている
侵入経路 国外からの持込も国内での分布拡大も,“放蝶ゲリラ”による人為的な放蝶によると考えられている.
侵入年代 国内での発記録は1978年の東京都日野市.この時点で,既に定着していたと考えられている.
影響 幼虫はウマノスズクサを好んで食害するためジャコウアゲハの幼虫と競合する可能性がある.
影響を受ける在来生物:ジャコウアゲハ
法的扱い 公表移入種(愛知県では放逐禁止.自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例).
アゲハチョウ科は検疫有害動物(植物防疫法).
防除方法 放蝶しない,保護しない.1980年代に東大構内で発生した際には,成虫の駆除により根絶された.
問題点等 保護活動が行われる場合がある.
海外移入分布 なし
備考
要注意外来生物.
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