(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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ミカンキイロアザミウマ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ミカンキイロアザミウマ (写真なし)
分類群 アザミウマ目 アザミウマ科
(Thripidae, Thysanoptera, Insecta)
学名 Frankliniella occidentalis
英名等 Western flower thrips
自然分布 北米(カナダ~メキシコ)西部
形態 比較的大型のアザミウマ.体長は雌で1.4~1.7mm,雄で1.0~1.2mm.体色は雌では明黄色~褐色と変異があり,低温条件下で褐色型が多くなる.雄は明黄色のみ.触覚第1節は黄色,第2節は褐色,第3~5節は基部が黄色で残りが褐色,第6~8節は褐色.複眼後刺毛の1対(内側から数えて4番目)が目立って長い.前翅は淡色で前脈の刺毛列が途切れることなく一様.頭部はやや幅広.前胸背板に5対(前縁に1対,前角に1対,後縁角に2対,後縁にやや短い1対)の長刺毛を持つ.白胸背楯板の後方に鐘状感覚器がある.
成虫では,前翅前脈の刺毛列の生え方と前胸背板に5対の長刺毛を持つ点で他属から区別でき,複眼後刺毛と胸部後方の鐘状感覚器で同属他種から区別可能.
生息環境 様々な植物に寄生.
温度選好性:本種は耐寒性が強く,暖地では発生を繰り返しながら野外でも越冬する.
繁殖生態 幼虫期は花弁・頂葉の間に生息し,寄主植物を食害.2齢幼虫で脱皮が近づくと土中・落ち葉中に移動し,蛹化.蛹には2段階ある.羽化までに要する期間は気温によって異なり,15℃で44日ほど,27℃では14日ほど.羽化後24時間は静止し,3日ほどで性成熟.未受精卵は雄に,受精卵は雌になる.雌成虫の寿命は30~45日で,葉・苞・花弁の組織内に1卵ずつ産卵し,総産仔数は150~300.多くの場合成虫態で越冬(米国では,一部は老熟幼虫態で越冬).
生態的特性 成虫は色彩反応を示し,白色,黄色,濃い青色などに誘引される.
食性:植物食.寄主植物は幅広い.
侵入情報
国内移入分布 ほぼ全国.沖縄では,一時定着していたが後に絶滅. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 不明
侵入経路 不明
侵入年代 国内での初記録は1990年,埼玉・千葉県にて
影響 各種植物(花卉,野菜等農産物を含む)の吸汁.植物ウイルス病の媒介.
影響を受ける在来生物:様々な農産物・植物
法的扱い アザミウマ科は検疫有害動物(植物防疫法)
防除方法 殺虫剤(フルフェノクスロン,クロルフルアズロン),ヒメハナカメムシ類・カブリダニ等天敵導入の組み合わせ.
問題点等 欧州では,有機リン・カーバメート・合成ピレスロイド等の殺虫剤に対する抵抗性が発達している.日本でも侵入当初から合成ピレスロイド剤への感受性が低かった.
海外移入分布 韓国,オセアニア,南アフリカ,イスラエル,ヨーロッパ全域,北米全域,中南米.1970~80年代に分布拡大.
備考
日本の侵略的外来種ワースト100

沖縄島では1999年6月に名護で発見されてただちに防除が行われ,二ヶ月で根絶された.
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