(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
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インゲンテントウ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 インゲンテントウ

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インゲンテントウ
分類群 コウチュウ目 ヒラタムシ上科 テントウムシ科
(Coccinellidae, Cucujoidea, Coleoptera)
学名 Epilachna varivestis
英名等 mexican bean beetle
自然分布 メキシコ~中米
形態 成虫の体長6~8.5mmのテントウムシ.鞘翅は淡黄色~ブロンズ色の地に黒い斑紋を左右それぞれに8個持つ.在来の同属種ニジュウヤホシテントウに類似するが,黒い斑紋の数で識別可能.
卵・幼虫・蛹とも黄色.
生息環境 原産地では高原地帯に生息.侵入地ではダイズ・インゲンなどの畑に生息.
温度選好性:20℃の長日条件の飼育下では,孵化~羽化まで約25日.在来種ルイヨウマダラテントウ(同条件で約29日)より短期間で世代交代可能.
自然分布域は低緯度だが,低温耐性は高い.
高温に弱く,27.5℃以上の高温に5日以上曝されると正常な産卵が不可能になる.幼虫は30℃以上の高温で発育が阻害される.そのためか,低標高地では低密度の傾向で,真夏に高温になる甲府盆地には分布しない.
繁殖生態 繁殖期:春~夏.年に複数世代の発生が可能.
3~5月(時期は春の気温・降水量に依存)に越冬から覚めて,8~15日後に交尾,雌がダイズなどの葉の裏に産卵する.雌成虫の寿命は48日程度で,生涯産卵数は平均で460個,最大記録は1669個.卵は5~14日で孵化し,幼虫は葉を食べて4齢まで成長(1齢あたり4~7日程度,合計16~27日).葉の裏で蛹化し,10日程度で羽化.米国南東部で年に3~4世代,西部・北部で年に1~2世代の発生が可能.秋まで生き残った成虫は,枯れ葉の下・乾燥した場所などで集団越冬.
生態的特性 成虫越冬
食性:マメ科植物の葉を食べる.農業害虫としては,ダイズ・インゲンを食害.少なくとも、飼育下ではアズキも寄主になる.
侵入情報
国内移入分布 山梨県北西部~長野県東部(諏訪湖周辺~南西部),高標高地域(500~1300m) 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 不明
侵入経路 国内への侵入経路は不明.
米国内での分布拡大は,アルファルファ(マメ科の牧草)の運搬への混入と考えられている.
侵入年代 1994年までに定着
影響 インゲンをはじめマメ科植物を食害.
影響を受ける在来生物:マメ科植物.農産物では,インゲン・ダイズ.アズキも寄主になりうる.ソラマメは寄主にならない.
法的扱い テントウムシ科は検疫有害動物(植物防疫法)
防除方法 薬剤感受性が高いため,薬剤散布が有効と考えられる.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 米国,カナダ
備考
日本の侵略的外来種ワースト100.

温度耐性などの観点から,中部以南では定着困難だが,東北~北海道には広く分布拡大可能と推定されている.
基本・侵入情報 参考資料リスト