(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
  1. 侵入生物データベース >
  2. 日本の外来生物 >
  3. 哺乳類 >
  4. ネコ

ネコ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ネコ

クリックすると拡大画像が表示されます

ネコ
分類群 哺乳綱 食肉目(ネコ目) ネコ科
(Felidae, Carnivora, Mammalia)
学名 Felis catus
英名等 Feral cat, domestic Cat
自然分布 家畜種.家畜化はエジプトで約6000年前に行われたとされ,原種は中東~北アフリカに分布するリビアヤマネコ Felis silvestris lybica と考えられている.
形態 体重:雄3~6kg,雌2.5~4.5kg.体の色や模様,眼色,毛の質,長さにはさまざまなタイプがある.
生息環境 都市近郊に多いが,森林にも生息する.
繁殖生態 繁殖期:発情期は年に2~3回.
5~9ヶ月齢で性成熟.交尾排卵のため受胎率は高い.産仔数:平均4~5頭程度,最大9頭.雌一頭あたり,生涯に50~150頭出産可能.
生態的特性 単独性で排他的なテリトリー制を持つ.無人地域での生息密度は,温帯・草地の1頭/k~から亜熱帯・島の20~50頭/k~まで.餌要求量は成獣で体重の5~8%.
食性:小型哺乳類,鳥類,爬虫類,両生類,昆虫類
侵入情報
国内移入分布 島嶼部を含めほぼ全国 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
移入元 日本への導入の明確な記録は無い.朝鮮半島経由の可能性あり.
侵入経路 ネズミ防除対策のため導入される.ペットとして飼育され,野外で放し飼いにされることも多い.また,特定の飼い主を持たず半野生状態で都市部で暮らすもの(“ノラネコ”),自然環境化で完全に野生化しているもの(“ノネコ”)もいる.いわゆるノネコは,しばしば外来種として大きな生態影響を引き起こす.
侵入年代 日本への持ち込みは平安時代以前.沖縄島やんばる地域での野生化は1970年代ごろで,1995年ごろから目撃例が増え始めた.
影響 在来小動物の捕食・捕殺.特に島嶼域の希少種・固有種への被害が大きい.ネコは捕食だけでなく「遊び」としてハンティングを行うことがあり,少数のネコにより多数個体の動物が捕殺されることがある.
在来ヤマネコのいる対馬・西表島では感染症 (ネコ免疫不全症候群ウイルス FIV,ネコ白血病ウイルス FLeV) の伝播.ツシマヤマネコへの感染が確認されている.
影響を受ける在来生物:鳥類:ウミガラス,ウミネコ,ウトウ,オオミズナギドリ,ハハジマメグロ,アカガシラカラスバト,ヤンバルクイナ,ノグチゲラ,カラスバト など
哺乳類:アマミノクロウサギ,オオコウモリ,オキナワトゲネズミ,ケナガネズミ など
爬虫類:オキナワキノボリトカゲ,ヘリグロヒメトカゲ など
ツシマヤマネコにおいて,ノネコ由来のFIV感染の記録あり.
法的扱い 狩猟獣(鳥獣保護法).海外から持ち込まれるネコにはマイクロチップ埋め込みによる登録が義務付けられている(動物愛護管理法).地域によっては,条例により飼い猫に対するマイクロチップ埋め込みを含む登録・管理が義務付けられている(北海道天売島,東京都小笠原村,長崎県対馬市,沖縄県国頭村,大宜味村,東村,竹富町など)
防除方法 飼い猫の適正な管理(適切な繁殖制限,マイクロチップ埋め込みなどによる登録・管理).ノネコに対するする箱ワナなどによる捕獲.ノネコと飼い猫の区別が困難であることがノネコ対策の障害の一つであり,マイクロチップによる飼い猫の登録・管理は各地のノネコ対策において効果的だった.
北海道天売島,小笠原諸島,沖縄島やんばる地域(国頭村・大宜味村・東村),西表島などの島嶼域では,ノネコの捕獲と里親探し・飼い猫の登録制度と繁殖制限などを含む総合的な対策が取られている.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 汎世界的
備考
世界の侵略的外来種ワースト100,日本の侵略的外来種ワースト100
基本・侵入情報 参考資料リスト