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私たちは多くの化学物質の恩恵を受けながら生活しています。 しかしながら、化学物質の中には生物のホルモン受容体と結合し、ホルモンバランスを乱す化学物質(内分泌攪乱化学物質)の存在が問題となっています。 特に、女性ホルモン(エストロゲン)受容体に結合する化学物質の生物への影響が懸念されており、エストロゲン作用を示す化学物質のスクリーニング(選別)が様々なアッセイ法で行われております。 |
酵母ツーハイブリッドシステムと呼ばれる手法で酵母に各種のホルモン受容体遺伝子を導入した「遺伝子組み換え酵母」を用いる高感度で迅速なバイオアッセイ法(酵母ツーハイブリッド・アッセイ法)が大阪大学の西川淳一先生らにより開発されました。 |
私たちはこのアッセイ法に改良を加え、内分泌かく乱作用が疑われている化学物質を優先して、試薬として市販されている物質及び合成品について、促進的作用であるアゴニストと抑制的作用であるアンタゴニスト活性を試験しました。 両試験とも化学物質そのものによる活性を調べる試験(-S9テスト)とラットの肝上清(S9)を用いて薬物代謝酵素による代謝を行い、代謝化された物質による活性を調べる試験(+S9テスト)の両方を行い、試験化学物質ごとに図、表にまとめて記載しました。 |