国立環境研究所の大型計算機「GOSAT RCF」が Green500ランキングの第10位に

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国立環境研究所の大型計算機「GOSAT RCF」が
Green500 ランキングの第10位に

平成22年11月22日(月)

(独)国立環境研究所が平成22年3月に導入した大型計算機「GOSAT研究用計算設備」(略称:GOSAT RCF)が、世界のスーパーコンピュータの電力効率の良さを競うランキングである「Green 500」(注1) の第10位にランクインしました。

GOSAT RCFは、低消費電力化のための仕組みを随所に採用することで、地球環境にできる限り配慮したシステムを実現しています。

本ランキング結果は、アメリカ・ニューオーリンズで開催された、スーパーコンピュータに関する国際会議「SC 10」(注2) で11月19日(金)(日本時間)に発表されました。

(独)国立環境研究所は、(独)宇宙航空研究開発機構および環境省と共同で、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)プロジェクトを推進しています。

このたび、国立環境研究所GOSATプロジェクトがGOSATデータの研究用計算処理における時間短縮、精度の向上を目的として平成22年3月に導入した「GOSAT研究用計算設備」(GOSAT RCF)が、世界のスーパーコンピュータの電力効率の良さを競うランキングである「Green 500」の第10位にランクインしました。

写真:「GOSAT研究用計算設備」(GOSAT RCF)

国立環境研究所は、GOSATプロジェクトにおいて観測データの高次処理や検証、外部へのデータ提供等さまざまな業務を実施しておりますが、GOSAT RCFはその高い演算性能(2010年11月発表のTop 500ランキング(注3) で102位)を通して、プロジェクトの遂行に大変重要な役割を果たしています。

その一方、多量のデータを高速で処理する大型計算機システムでは膨大な電力消費が問題となりがちですが、GOSAT RCFは少ない電力消費で効率的に演算できるGPGPU(汎用画像処理装置)320基を採用し、CPU(中央演算装置)320基とのハイブリッドコンピューティングシステムを構成することで消費電力の低減を図ったほか、モーターを使用しないシリコンディスクや効率的なラック収納型空調装置、一定時間使用されなかったCPU等を自動停止させる機能等を採用することで、低消費電力化により地球環境にできる限り配慮したシステムを構築しました。

優れた演算能力との両立を実現しつつこれらの取り組みを実施し、さらに導入後も最適化を進めることで、今回Green 500のトップ10入りを果たしました。

今回のGreen 500のランキングは、アメリカ・ニューオーリンズで開催された、スーパーコンピュータに関する著名な国際会議である「SC10」で11月19日(金)(日本時間)に発表されました。

Green 500

(注1) Green 500
Green 500.orgが主催する、世界のスーパーコンピュータの電力効率の良さを競うランキング。2007年11月に初めてランキングが発表され、主に毎年6月と11月に更新が行われている。2010年11月のランキングでは、2位に東京工業大学、4位に理化学研究所のスーパーコンピュータがランクインしている。
http://www.green500.org/
http://www.green500.org/lists/2010/11/top/list.php

(注2) SC 10 (The International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis)
スーパーコンピュータに関する、世界最大規模の国際会議・展示会。アメリカ・ニューオーリンズで、本年11月13日(土)〜19日(金)まで開催された。

(注3) Top 500
Top 500.orgが主催する、世界のスーパーコンピュータの演算性能を競うランキング。1993年5月に初めてランキングが発表され、主に毎年6月と11月に更新が行われている。

【問い合わせ先】
独立行政法人国立環境研究所 地球環境研究センター
地球環境データベース推進室長 松永 恒雄
          TEL: 029-850-2349

【参考URL】
独立行政法人国立環境研究所 GOSATプロジェクト
http://www.gosat.nies.go.jp/