記者発表 2007年8月1日

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国立環境研究所の研究情報誌「環境儀」第25号「環境知覚研究の勧め−好ましい環境をめざして」の刊行について
(お知らせ:環境省記者クラブ、筑波研究学園都市記者会同時発表)

平成19年8月1日(水)
独立行政法人国立環境研究所
企画部長  : 加藤  正男 (029-850-2302)
環境情報センター長  : 山本  秀正 (029-850-2340)
環境儀WGリーダー  : 増井  利彦 (029-850-2524)
広報・国際室  : 広兼  克憲 (029-850-2308)


要  旨

国立環境研究所の研究成果を国民各層に分かりやすく伝える研究情報誌「環境儀」第25号「環境知覚研究の勧め−好ましい環境をめざして」が刊行されました。

環境問題の解決にあたっては、人間が外界に対して何を感じるか、何と考えるのかという「基盤」にあたる部分を解明することが不可欠です。知覚感覚器官を使って外界を捉え、捉えた情報を基に環境を判断する環境知覚について、霞ヶ浦で行ってきた環境知覚実験や、風景評価を対象に紹介します。

今回の環境儀では、30年にわたって環境知覚外界と人間の心の関係(これを、ここでは環境と考えます)を解明する試みを続けてきた研究者が、人間が環境をどのようにとらえてきたのかについて、西洋人による日本の風景評価等をまじえて、わかりやすく紹介します。

1  第25号の内容

第25号では、環境研究において、風景を研究対象として取り上げます。人類の歴史上、風景の評価が人々に広まったのはまだ数百年前のことですが、風景評価を分析することは、環境問題を解決する鍵となる外界と人間の心の関係を解き明かす上で、大きな意義を持ちます。今回は、環境知覚の研究を専門とし、風景評価の分析に取り組んでいる研究者が、風景研究についての取り組みの実際と環境知覚について紹介しています。


内容は、

(1) 研究担当者へのインタビュー
青木  陽二(あおきようじ)
社会環境システム研究領域主席研究員
「気候風土と文化的背景が大きく影響する風景評価」

(2) 風景評価に関する研究の視点と動向  のほか、『30 年にわたる環境知覚と風景評価に関する研究の概要』、『大きく変わったつくばの風景』、『日本人の風景の見方』などについてのコラム等



2  閲覧・入手についての問い合わせ先

「環境儀」は、研究所のホームページで閲覧することができます。
http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/
冊子の入手については、下記へお問い合わせ下さい。
連絡先:国立環境研究所環境情報センター情報企画室出版普及係
(TEL: 029-850-2343、E-mail:pub@nies.go.jp)


(参考)これまで「環境儀」で取り上げたテーマ

24号 : 「21世紀の廃棄物最終処分場−高規格最終処分システムの研究」
23号 : 「地球規模の海洋汚染−観測と実態」
22号 : 「微小粒子の健康影響―アレルギーと循環機能」
21号 : 「中国の都市大気汚染と健康影響」
20号 : 「地球環境保全に向けた国際合意をめざして  ― 温暖化対策における社会科学的アプローチ」
19号 : 「最先端の気候モデルで予測する『地球温暖化』」
18号 : 「外来生物による生物多様性への影響を探る」
17号 : 「有機スズと生殖異常−海産巻貝に及ぼす内分泌かく乱化学物質の影響」
16号 : 「長江流域で検証する『流域圏環境管理』のあり方」
15号 : 「干潟の生態系−その機能評価と類型化」
14号 : 「マテリアルフロー分析−モノの流れから循環型社会・経済を考える」
13号 : 「難分解性溶存有機物−湖沼環境研究の新展開」
12号 : 「東アジアの広域大気汚染−国境を越える酸性雨」
11号 : 「持続可能な交通への道−環境負荷の少ない乗り物の普及をめざして」
10号 : 「オゾン層変動の機構解明−宇宙から探る  地球の大気を探る」
9号 : 「湖沼のエコシステム−持続可能な利用と保全をめざして」
8号 : 「黄砂研究最前線−科学的観測手法で黄砂の流れを遡る」
7号 : 「バイオエコ・エンジニアリング−開発途上国の水環境改善をめざして」
6号 : 「海の呼吸−北太平洋海洋表層のCO2吸収に関する研究」
5号 : 「VOC−揮発性有機化合物による都市大気汚染」
4号 : 「熱帯林−持続可能な森林管理をめざして」
3号 : 「干潟・浅海域−生物による水質浄化に関する研究」
2号 : 「地球温暖化の影響と対策−AIM:アジア太平洋地域における温暖化対策統合評価モデル」
創刊号 : 「環境中の『ホルモン様化学物質』の生殖・発生影響に関する研究」

バックナンバーはホームページから閲覧できます。
http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/